【解説】宇宙生命探査、次はこうなる

「系外惑星探し」から「惑星を詳しく知る」フェーズへ

2017.05.02
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生命が存在する可能性のある太陽系外惑星の中で地球から最も近い惑星「プロキシマb」の表面からの眺めの想像図。(PHOTO ILLUSTRATION BY ESO, M. KORNMESSER)
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 私たちの銀河系には、無数の恒星があり、それら恒星の周りを回る無数の惑星が存在している。

 そのなかには地球に似た惑星、つまり、ほどほどに小さく、岩石からできていて、暑すぎも寒すぎもしない太陽系外惑星が少なからずあることも、すでにわかっている。今の問題は、このような惑星に生物がいるのかということだ。

「恒星から近すぎも遠すぎもしないハビタブルゾーンに岩石惑星が存在していることについては、疑問の余地はありません」。超高速宇宙探査計画などを計画するブレイクスルー・イニシアチブが2017年4月に主催した会議で、米アリゾナ大学のオリヴィエ・ギュイヨン氏は語った。「私たちが知るかぎり、このような惑星はあちこちで見つかります。次の目標は、生命を見つけることです。調べなければならない惑星はたくさんあります」

 太陽系外惑星が実在するのか、それとも目の錯覚にすぎないのかという問題は、もはや完全に解決した。観測機器の性能が飛躍的に向上し、遠方の星の光に埋もれた惑星の信号をうまく取り出せるようになったからだ。

 うれしいことに、こうした太陽系外惑星のいくつかは、太陽系から比較的近いうえ、表面に液体の水が存在する可能性もある。生命が存在できる惑星の特徴について、科学者らの意見は一致していないものの、これらの惑星のいくつかは、生命探査の標的としてだけでなく、最初の恒星間宇宙船の目的地としても注目されている。(参考記事:「太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱」

地球似の惑星はいっぱい

 太陽の近くには、小さくて薄暗いM型矮星と呼ばれる赤い恒星(赤色矮星とも呼ばれる)が多い。銀河系で最もよくあるタイプの恒星で、近年、さかんに惑星探しが行われている。生命探しに不向きと考えられていた時期もあったが、米カリフォルニア工科大学のコートニー・ドレッシング氏によると、いくつかの研究データから、現在では、M型矮星の4つに1つが地球と同程度の大きさと温度の惑星をもつことがわかっているという。(参考記事:「地球に似た惑星の数は600億?」

 例えば、太陽からわずか4.24光年のところにある赤色矮星「プロキシマ・ケンタウリ」も惑星をもっている。

 厳密に言えば、「1つ以上の惑星」だ。今回の会議で、英ロンドン大学クイーン・メアリーのギリェム・アングラーダ=エスクデ氏は、プロキシマ・ケンタウリの観測データの中に、面白い信号がほかに2つあることを示した。現時点ではどちらの信号も惑星のものとは確認できていないものの、研究チームは、さらなる観察により答えを明らかにしたいと考えている。

 さらに、太陽から12.3光年のところにあるルイテン星という赤色矮星には2つの惑星があることが確認されていて、そのうちの1つはハビタブルゾーンにある。そのほかにも、太陽から30光年以内のところに惑星をもつ恒星がいくつかある。アングラーダ=エスクデ氏によると、太陽から近いところに生命が存在できそうな惑星が多数見つかっていることから、こうした惑星を直接調べられるような手法を開発しようという声が高まってきているという。

 ドレッシング氏は、プロキシマ・ケンタウリや、最近大きな話題になった小さな恒星トラピスト1やLHS 1140のまわりの惑星を例に挙げて、「太陽の近くにある既知のM型矮星のいずれかのまわりに生命が存在する惑星がある可能性は高いと思います」と言う。(参考記事:「【解説】地球に似た7惑星を発見、生命に理想的」

 今の課題は、太陽系外惑星の存在を確認することではなく、それらをよく知ることなのだ。

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