【動画】鼻で驚きの12連打!奇妙なホシバナモグラ

手が2つ並んだような鼻が閉じたり開いたり叩いたり

2017.04.26
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痛みの治療に貢献?

「他の感覚に比べて、触覚についてはあまり多くのことがわかっていません」。米カリフォルニア大学バークレー校で痛みとかゆみについて研究するダイアナ・バウティスタ氏はそう語る。

 バウティスタ氏がカタニア氏に電話をかけて共同研究をしたいと申し出たとき、先方から要求されたのは、一緒にペンシルベニア州の田舎へモグラ集めに行くことだった。湿地帯の地下からモグラを掘り出すのは大変な作業だったとバウティスタ氏は振り返る。

 全部で39種いるモグラのうち、ホシバナモグラは湿地や沼にすむ唯一の種だ。その鋭敏な鼻は、沼の中で柔らかい小さな獲物を素早く、たくさん食べるために進化してきたと考えられている。(参考記事:「夢は世界のモグラをコンプリート!」

 カタニア氏との研究の中で、バウティスタ氏は、ホシバナモグラの星型の鼻から、(たとえば羽でなでたり、針でつついたりして)物理的に受け取る力を神経系を伝わる電気信号に変える分子を発見した。

 同様の分子の多くは人間にも見つかるため、こうした発見は新たな痛みの治療法の開発につながる可能性がある。

尽きることのない謎

 ホシバナモグラにはまだ多くの謎があり、それをぜひとも解明したいとカタニア氏は言う――彼らは突起の先端で1度触っただけで、細かいテクスチャーまで感じ取れるのだろうか。どんな遺伝子や分子が鼻の星型を形作っているのだろうか。脳は鼻からの信号をどのように増幅しているのだろうか。彼らは冬眠をしないが、凍るように冷たい水中でその敏感な鼻をどのように機能させているのだろうか。

 こうした疑問を解くことができるのは、奇妙な生物にその身を捧げ、体が濡れるのを厭わない科学者だけだ。

文=Erika Engelhaupt/訳=北村京子

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