40光年先に地球似の惑星を発見、生命探しに最適

適度に重力のある岩石惑星、そのうえ「太陽の裏庭」ほどの距離

2017.04.20
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本当の意味で地球に似ている

 今日では3400以上の太陽系外惑星の存在が知られている。しかも、望遠鏡と観測技術の向上に伴い、太陽よりはるかに小さい恒星のまわりにある、小さな岩石惑星の発見が増えている。

 2016年には、太陽系に近いトラピスト1という小さな恒星のまわりに、地球サイズの惑星が3つあることが明らかになった。そのすぐ後には、太陽系から最も近いプロキシマ・ケンタウリという低温の赤色矮星のまわりに地球サイズの惑星があることが明らかになり、大きな話題になった。さらに2017年、トラピスト1の惑星が3つではなく7つ以上あり、そのうちのいくつかは主星から近すぎも遠すぎもしないハビタブルゾーンにあることが明らかになった。(参考記事:「【解説】地球に似た7惑星を発見、生命に理想的」

研究チームは、チリのセロトロロ天文台のMEarth南望遠鏡アレイで観測を行い、新たなスーパーアースを発見した。(PHOTOGRAPH BY JONATHAN IRWIN)
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 最近では、ヨーロッパの科学者が、太陽系から近いところにある太陽系外惑星GJ 1132bに大気があることを確認したと発表した。この惑星は、大気の組成についての手がかりを与えてくれる惑星としては最も小さい。この発見により、今日の観測装置で、岩石惑星の大気中の分子を調べられることが証明された。

 こうした状況を考え合わせると、LHS 1140bには大きな期待が寄せられる。これまでに発見された惑星はどれも、本当の意味で地球に似ているとは言いがたかった。どの惑星についても、そんな比較ができるほどよくわかっていないからだ。けれども、今回発見された惑星は観測しやすく、生命の生存に適した条件を備えている可能性がかなり高い。

 第一に、LHS 1140bの密度は、この惑星が固体であることを示している。固体であれば表面があり、生命はその上や内部や上空で生きることができる。トラピスト1の惑星のなかにも固体の惑星がありそうだが、その組成の多くはまだ謎に包まれている。(参考記事:「太陽系外の岩石惑星に大気、初めて確認」

「小さい惑星であっても、地球に似ているとはかぎりません」とワイス氏。少しばかり岩石を含んでいても、分厚い雲に覆われているのであれば、複雑な生命体は生きていけないかもしれない。

 この点で、LHS 1140bは、密度が高くて小さいため、鉄とケイ酸塩(地球を構成しているのと同じ岩石質の物質)からできている可能性が高いという。

 第二に、LHS 1140bの重力は大気を逃さない程度に大きい。注意すべきは、この惑星の50億歳になる主星は、現在は安定しているが、若い頃は爆発的に活動していたと考えられることだ。そうだとすると、不安定な主星の激しい爆発によって惑星の大気が吹き飛ばされ、その表面で進化していた生命体が死に絶えてしまった可能性も否定できない。

 逆に、主星からこの程度離れていれば、惑星の大気は、主星の爆発的な活動に耐えて残ることができたかもしれない。LHS 1140bの主星からの距離は、焼けつくようなGJ 1132bとは違い、生命にとって快適な温度であることも意味する。(参考記事:「太陽系から最も近い地球型惑星発見、過酷な環境」

 最後に、地球の宇宙生物学者は、LHS 1140bが主星の前を横切る様子を観察するのに絶好の場所にいる。太陽系外惑星の大気を調べて生命の兆候を探す科学者たちは、惑星が恒星と地球の間を通過するときに、恒星からの光が惑星の大気を通り抜け、そこに含まれる分子を照らし出すのを見ている。

 こうした分子とその存在比を、既存の装置や、近い将来完成する装置を使って観測するためには、地球の近くにLHS 1140のような条件の良い恒星がなければならない。

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