シマウマとトラ、地肌がシマシマなのはどっち?

毛の下に隠された驚きの真実

2017.03.08
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シマウマの縞模様の下の皮膚は黒い(米アトランタ動物園のバーチェルサバンナシマウマ)。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)
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 春はもうすぐ。冬のコートを脱いでみたら余分な脂肪が付いていた、という人もいるかもしれない。

 動物はもっとうまくやっている。毛皮は脱がずに、毛の厚さを変えたりしている。(参考記事:「白いコートに着替えたツンドラの動物たち」

 でも、その毛の下の地肌はどう見えるのだろうか? とりわけ大型のネコ科動物やシマウマのように印象的な模様を持つ動物の場合は?(参考記事:「気温とシマウマの縞模様の意外な関係」

毛包と皮膚という2つのシステム

 ひとことで言えば、それは動物によって異なる。

 哺乳類の毛の色は、「毛包」という器官にあるメラニン形成細胞「メラノサイト」によって決まる。一方、皮膚の色を左右するのは毛包の外にあるメラノサイトだ、と米国アラバマ州ハンツヴィルにあるハドソンアルファ・バイオテクノロジー研究所の遺伝学者グレッグ・バーシュ氏は言う。

 動物の模様の遺伝的性質を研究している同氏によれば、遺伝子やホルモンをはじめ、毛と皮膚で働く要素はそれぞれ異なる。

「毛にはっきりしたしま模様があっても、皮膚でははっきりしないものがいることが分かっています」とバーシュ氏。飼いネコ飼いイヌ、ウマ、シマウマ、チーターなどがそうだ。(参考記事:「【動画】まるで兄弟、子チーターと犬の動画が話題」

チーターは体は大きいが小型ネコ科に近縁で、毛と皮膚の色が異なる(米マイアミ動物園の「ジョージ」)。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)
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 たとえば、シマウマの縞模様の毛の下の皮膚は黒い。キリンの皮膚は、毛の色と似た明るい黄褐色で模様はない、とデンマーク、コペンハーゲン大学の材料科学者マッズ・バーテルセン氏は言う。(参考記事:「珍しい白いキリンの写真を公開、タンザニア」

 チーターは、実際のところは小型ネコ科動物とより近縁で、「その(黄褐色の)肌に斑点や縞などの模様は明らかにない」と言うのは、南アフリカの絶滅危惧野生生物トラスト(EWT)の生物学者ビンセント・ファン・デル・マーウィ氏。(参考記事:「追い詰められるチーター 」

キリンの皮膚は、毛の色と似た明るい黄褐色だ。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)
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 一方、大型ネコ科動物でもトラやライオンなどのグループでは、皮膚にも毛と同じ模様がある、とファン・デル・マーウィ氏。ユキヒョウも同様だ。(参考記事:「トラに未来はあるか 消えゆく王者トラ」「孤高の王者ユキヒョウを追う」

 これは皮膚にある毛包の色が透けて見えるためで、人間のひげそり跡が黒っぽく見えるようなものとバーシュ氏は語る。

 独自に大型ネコ科動物の研究を続けるブーン・スミス氏は、血を採ったり標識を付けたりするために、野生のピューマの毛を剃ったことがある。同氏の観察でも、彼らの皮膚の色は毛と同じだった。毛の色はさまざまな茶色、白、灰色で、黒もあるが、「毛包が皮膚に微妙なコントラストを生み出しているようです」と氏は言う。(参考記事:「復活するピューマ」

「シロクマ」は白くない

極寒の北極でより多くの日光を吸収できるように、ホッキョクグマの皮膚は黒い。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark)
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 ホッキョクグマの毛の下の皮膚は黒い。これはおそらく日光の吸収をよくするためだろう、とカナダ、マニトバ保護区の地域野生生物管理官ダリル・ヘドマン氏。

 同氏によれば、保温効果の高い密生した短い毛が春に生え替わるときには「黒い皮膚の斑点」が見えるという。

「ホッキョクグマの毛を数本手に取ってみると、透明に見えます」とヘドマン氏。「氷の上では灰色がかった白」に見えるのは、「毛が光を散乱させる」ためだ。これはこの捕食者が極地の環境に溶け込むのにも役立っている。(参考記事:「厳冬を耐え抜く野生動物の防寒のヒミツ」

オスのドリル(生後5カ月の飼育個体)が持つ青とピンクの尻は、社会的地位を示す。(Photograph by Joel Sarotre, National Geographic Photo Ark)
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 霊長類の一部、とりわけパタスモンキー、マンドリルベルベットモンキー、タラポアン、レスラなどの旧世界ザルのオスは、色鮮やかな肌を持っており、中には睾丸が青い種もある。(参考記事:「サルの睾丸、なぜ青い?」

 青い色素については完全には分かっていないが、性選択に関係しているようだ(ただしマンドリルの場合は、社会的地位と関係している)。

 ヒヒは生まれたときには「鼻や手、耳は真っピンクですが、年齢と共に暗い色になります」と京都大学のフレッド・ベルコビッチ氏がメールで回答してくれた。

「毛の色はこれと反対」で、「生まれたては真っ黒で、年を取ると灰色のまだらに変わります」とのこと。

 それって、どんな気分なんだろう。

文=Liz Langley/訳=山内百合子

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