【動画】湖の巨大「ダム穴」、まるで地獄の入口

記録的大雨で水が流出、米カリフォルニア州

2017.02.24
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ドローンで撮影した、渦を巻きながら「ダム穴」に流れ込む水。米カリフォルニア州ベリエッサ湖のモンティセロダム。(説明は英語です)

 まるで地獄の入口だが、ベリエッサ湖の「ダム穴」は救世主だ。

 直径約22メートル、長さ約75メートルのこの水抜き穴は、米カリフォルニア州ナパバレー、ベリエッサ湖のモンティセロダムにある。垂直な穴を水は渦を巻きながら流れ落ち、およそ600メートル下にある近くのプタ川に注ぐ。

 モンティセロダムが建設されたのは1940年代で、灌漑用水と飲料水を確保するためだった。現在もおよそ60万の住民が恩恵に預かっている。満水時の総貯水量は約19億立方メートルだ。(参考記事:「米国西部でダム3基撤去へ、自然再生めざす」

 過去2カ月にわたり、ナパバレー周辺は記録的な大雨に見舞われた。そのせいでダムに水が押し寄せ、貯水量の限界に達してしまった。(参考記事:「巨大洪水の歴史、USGSがランキング」

The water is flowing for the first time in 10 years at the Lake Berryessa Monticello Dam. 📷: @justkeepexploring #CabernetSeason

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 ソラノ郡灌漑地区の水資源電力運営マネージャーであるケビン・キング氏は、ダムの運営を監督している。彼はダム穴の効果をバスタブの側面にある水抜き穴になぞらえる。

「水位が上がると穴から水が抜けます。でも、そこまで達しなければ水は流れ出ません」

 目下の天気予報によると、この先2週間ほどダム穴が活躍しそうだとキング氏。(参考記事:「ダムが気象に影響、老朽化で災害も」

 ダムの放水路が正しく建設されていなかったり、存在しなかったりすると、大災害が起きる可能性がある。カリフォルニア州北部のオロビルダムでは、放水路の建設そのものが不十分だったうえ、メンテナンスのやり方を間違えていたせいで、2月のはじめに危機に陥った。ダムの一部が損壊して下流にある街に洪水が起きる恐れから、18万を超える住民が避難を余儀なくされた。(参考記事:「全米一高いダムに穴、18万人超が避難、写真5点」

 幸いなことに、ベリエッサ湖のダム穴にはまだ劣化の様子は見られず、地元では人気の観光スポットになっている。60年代以降は以前ほどおなじみではなくなっているとキング氏は言うものの、「朝顔型洪水吐(morning glory spillway)」や「グローリーホール(glory hole)」など、この湖のダム穴にはたくさんのニックネームが付けられている。

文=Sarah Gibbens/訳=ナショナル ジオグラフィック日本版

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