中型クジラ82頭が集団座礁で大量死、米国

海岸に打ち上げられて80頭余りが死亡、原因は調査中

2017.01.20
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オキゴンドウの座礁を伝えた米国海洋大気局(NOAA)海洋漁業局からのツイート。

 80頭を超えるオキゴンドウ(ハクジラの仲間)が、米国フロリダ州にあるエバーグレーズ国立公園の海岸に打ち上げられ、謎の死を遂げた。

 米国海洋大気局(NOAA)海洋漁業局の報告によれば、95頭のオキゴンドウがフロリダ州南西部ホッグ・キーの海岸に打ち上げられていたという。沿岸警備隊が14日に発見してから、すでに82頭の死亡が確認されている。地元紙「マイアミ・ヘラルド」は、フロリダ州でこれほど多くのオキゴンドウが打ち上げられた例は知られていないと伝えている。(参考記事:「座礁クジラ、救出の難しさ」

 オキゴンドウは、ハクジラ亜目マイルカ科で4番目に大きい種で、体長約5~6メートルになることもある。シャチに似ているが、白い模様はない。アラスカ州やカナダ西部の海にもいるが、主な生息地は熱帯だ。社会性が非常に発達していて、普段は10~20頭の集団で行動することが多く、群れ全体の規模は数百頭に及ぶ。(参考記事:「オキゴンドウの高度な反響定位能力」

 国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「データ不足」に分類され、絶滅リスクの評価は今のところ難しい状態だ。米国では、ハワイ諸島の海域では絶滅危惧種に指定されているが、フロリダ州の海域では国による保護は行われていない。生息数も不明だが、2004年の時点では、メキシコ湾北部に約780頭が生息すると推定されていた。

集団座礁の過去最多は835頭

 NOAAで海洋哺乳類座礁ネットワークのコーディネーターを務めるブレア・メイズ氏はマイアミ・ヘラルド紙の取材に対し、オキゴンドウの集団座礁は、そう頻繁に起きる出来事ではないと説明している。同じような事例は直近でも1986年。フロリダ州西岸のシーダーキーで、40頭の集団のうち3頭が海岸に打ち上げられた。その6年前には、キーウェストで28頭が打ち上げられた。1970年1月にはフロリダ州南東部で、150~175頭が打ち上げられた可能性があると報告されている。ただし、研究者による確認は行われていない。

 過去の記録で最も規模が大きいのは1946年のもので、アルゼンチンの海岸に835頭のオキゴンドウが打ち上げられた。(参考記事:「パタゴニアでクジラが謎の大量死」

 今回の事故の原因はまだわかっていない。NOAAによれば、今後数カ月間で、死骸から採取した試料の分析を進めるという。ただし、それで原因が突き止められるとは限らない。NOAAが1991年以降に検証した62件の「不審死」のうち、原因がわかったのはわずかに30件。有毒な藻類の大量発生から、船舶との衝突といった人が関わるものまで、判明した原因は多岐にわたっている。(参考記事:「イルカ・クジラの「潜水病」、集団座礁の一因か」

文=Michael Greshko/訳=米井香織

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