2017年、絶対に見たい天体ショー7選

今年の注目をナショジオが厳選しておすすめ、北米では皆既日食も!

2017.01.06
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2008年にロシアで観測された皆既日食。太陽の見え方の変化を連続写真で示している。(PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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 2017年もさまざまな天体ショーが楽しめそうだ。特に米国では忘れられない年になるだろう。8月、待ちに待った皆既日食が米国本土で見られるからだ。

 その壮大な見せ場に加え、これから数カ月の間にも楽しみな天文現象が次々と起こる。まずは、氷に覆われた彗星が2月に地球のそばを通過する。うまくいけば、絵のように美しい姿を見せてくれるだろう。太陽に近いせいでなかなか見られない水星と大きな木星は、春に最も大きく、明るく見え、一番観察しやすくなる。そして12月には、毎年見られるふたご座流星群が、とりわけ鮮やかに夜空を彩る。(参考記事:「グリニッジ天文台のコンテストで1位になった皆既日食の写真」

 上記以外の現象も加え、以下に今年必見の天体ショーをまとめた。今からカレンダーに丸を付けておこう(日付は米国時間です)。

2月11日–本田・ムルコス・パイドゥシャーコバー彗星(45P)

 2月の前半、彗星が地球のすぐ近くを通過する。本田・ムルコス・パイドゥシャーコバー彗星(45P)は2016年12月に太陽に最も近づいてから、再び太陽系外縁部に向けて旅を始めている。その途中、わし座とヘルクレス座の間を駆け抜けていくように、地球の明け方の空に姿を現す。(参考記事:「今が見頃、冬の夜空を彩る「緑に輝く彗星」」

 2月11日、彗星と地球との距離はわずか1200万キロ余りと最も近くなる。肉眼でも見えるほど明るくなる可能性があり、氷でできた訪問者を眺めるにはこの日が最適だ。小さいがくっきりとした、空の毛玉のように見えるはずだ。実際の観察には、2月に出る詳しい観測ガイドを活用してほしい。(参考記事:「7万年前に恒星が最接近、地球に彗星の嵐か」

2月26日–金環食

 南半球の細い帯状の地域で、金環食が見られる。この帯に入る幸運な人たちは、日食による「炎の輪」を目の当たりにできるだろう。金環日食とも呼ばれる感動的なこの現象は、月の見た目の直径が小さく、太陽全体を隠しきれない場合に起こる。このとき、暗いシルエットとなった月の周りに太陽の光がリング状に残る。(参考記事:壁紙「金環日食に包まれて」

 金環日食が見られる場所をつないだ「帯」は南太平洋から始まって南米を横断し、アフリカで終わる(日食が見える場所は西から北へ移動する)。この帯の南北では、広い範囲で部分日食が見られると予想されている。(参考記事:「アフリカの子どもたちに日食グラスを」

3月29日–水星と火星と月の接近

 日没直後、西の空を見てみよう。うっすらと細い月、右下の水星、2つの星の上に見える赤みがかった火星が、印象的な三角形を空につくる。

3月、細い月と2つの惑星が見事な三角形を作り出す。(ILLUSTRATION BY ANDREW FAZEKAS, SKYSAFARI)
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 この配置が見るに値するのは、形が美しいからだけではない。水星が地球から見て最も明るく、最も高い位置に来るのだ。

 水星は太陽系の最も内側にあり、普段はなかなか見つけられない。この小さな星が、太陽の輝きの中に紛れてしまうからだ。それが3月末には、地球から見て太陽から最も離れた位置に近づくため、比較的簡単に観察できるようになる。(参考記事:「歴史的瞬間、軌道上から見る水星」

4月10日–月と木星の大接近

 今年は1年を通じておとめ座、スピカの近くにいる木星。その中でも4月は特別だ。太陽系最大の惑星が、満月にも近づくのだ。

4月には、木星と月がぴったり寄り添う。(ILLUSTRATION BY ANDREW FAZEKAS, SKYSAFARI)
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 この晩、日が西に沈むと、間もなく2つの天体が東から一緒に上ってくる。もし、このときに木星がいつもよりずっと明るいと思えたなら、それは直前に「衝」、つまり2017年で地球から見て最も大きく、明るく見える位置に木星が達したためだ。

8月21日–皆既日食

 今年は、北米の天文ファンにとってはめったにない当たり年といえる。何と言っても、太陽がすっぽり隠れるという絶対に見逃せない天文現象が、1979年以来久しぶりに北米で見られるのだ。今年8月、皆既日食の帯が米国を横断し、この細い帯が通る西海岸のオレゴン州から東海岸のサウスカロライナ州まで、数分間にわたって日中の空が夕暮れさながらに暗くなる。

 皆既日食は米国内の多くの都市で見られる。国内のどこからでも1日車を走らせれば皆既帯に入り、このまれな現象を目撃できるだろう。月が太陽の一部だけを隠す部分日食なら、北米大陸のさらに広い範囲で眺められる。

 これを逃すと、北米では2024年まで皆既日食は見られない。日食の数カ月前から出る予定の詳しい関連記事をチェックし、8月の壮大なショーに備えよう。(参考記事:「今世紀最短 皆既月食を見逃すな!」

11月13日–金星と木星の大接近

 太陽と月を除いて、夜空で最も明るい星のうち2つが、11月13日の明け方に、まるでぶつかりそうなほど近づく。

明るく光る惑星・金星と木星が、11月にはぶつかりそうなほど接近して見える。(ILLUSTRATION BY ANDREW FAZEKAS, SKYSAFARI)
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 2つの星は金星と木星で、東のかなり低空で非常に接近して見える。両者の見た目の離れ具合はわずか0.3度、つまり半月の見た目の幅と同じくらいしかない(日本からはもう少し離れて見える)。地平線すれすれで起こるため、2つの惑星は夜明けの光の中に浮かぶことになる。双眼鏡があると、観測をより楽しめるだろう。

12月13日–ふたご座流星群

 毎年現れるふたご座流星群が、南北アメリカではこの日の夜にピークを迎える。この流星群は数の多さで知られ、ピーク時には流星が1時間に60~120個というハイペースになる。中でも、今年は見逃せない。現地時間の真夜中ごろまで、弱まってきた月明かり以外に邪魔な光がないためだ。12月14日の夜明け前の数時間が最高の観測タイミングだ。(参考記事:「市民科学の始まり、1833年の流星雨」

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文=Andrew Fazekas/訳=高野夏美

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