【動画】奇怪!「呼吸」する道路を撮影

メキシコの首都、M7.1の地震と緩い地盤が原因か

2017.09.27
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【動画】奇妙に上下動を繰り返す道路(字幕は英語です)

 大きな地震が発生したメキシコの路上で、奇妙な現象が目撃された。

 まるで巨大動物が地中で大きく息をしているかのように、アスファルト道路の一部が浮き沈みを繰り返している。首都メキシコシティでこの現象に遭遇したのは、リゴベルト・レチューガ・シルヴァ氏。9月19日、同国プエブラ州で起きたM7.1の地震の揺れが続く中でのことだった。

 シルヴァ氏は揺れる建物から避難し、通りに飛び出した。ゆさゆさと揺れている街灯を撮影しようと携帯電話を取りだしたとき、舗道が上下していることに気がついた。

 何がコンクリートを歪ませたのか。この場面を見た科学者らは、考えられる仮説についてツイッターで意見交換を始めた。地球物理学者のミカ・マッキノン氏は、液状化が原因との考えを示した。メキシコシティは堆積盆地の上にあるため、激しい地震が起きると奇妙な地質学的事象が見られることがあると言う。(参考記事:「【動画】陥没穴が住宅をのみ込んだ、直径60m」

 数百年前、現在のメキシコシティは、今よりずっと水の多い土地だった。14世紀、広がる湖沼の中心にある島に築かれたのが、アステカ王国の首都テノチティトランだ。後にスペイン人によってこの地域の埋め立てが行われたが、底にあった緩い堆積物は、今もこの大都市の地下に閉じ込められている。(参考記事:「アステカ 解明される王国の謎」

 この緩い堆積物には大量の地下水が含まれており、地震波がこの地域を通過すると、堆積粒子が液体のような性質を示すことがある。液状化と呼ばれる現象だ。動画を見た米国地質調査所(USGS)の地震学者スーザン・ハフ氏も、このアスファルトの上下動は、おそらく液状化が原因だろうと述べた。

「強い地震の間、振動に伴って土砂が地表に噴出することがあります。今回このような奇妙な現象が起きたのは、地面が舗装されているためです」

 ハフ氏は、メキシコの当局がこの道路の下の地盤を調査する機会があれば、原因について確信が得られるだろうと言い添えた。

 大きな地殻変動の後に道路の液状化が見られたのは、メキシコだけではない。日本で2011年に発生した東北地方太平洋沖地震の後に撮影された映像では、舗道に生じた亀裂が広がったり閉じたりしている。(参考記事:「研究室に行ってみた:巨大津波の真相と対策」

 USGSのレポートによれば、サンフランシスコも非常に液状化しやすい。液状化が起こると、都市の高層建築物の土台である地盤が軟弱になることで、地震の被害が拡大することが多い。

 最悪の場合、液状化によって、地すべりや地盤崩壊、建物の倒壊などが引き起こされることもある。(参考記事:「【動画】車をゆっくり飲み込む恐ろしい地滑り」

文=Sarah Gibbens/訳=山内百合子

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