【動画】南米の森の多様性、魚が育んでいた

浸水する森と、果実を食べる魚の切り離せない関係

2018.06.15
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【動画】頻繁に浸水する南米のジャングルでは、植物の種子を散布するのに魚が大きな役割を果たしている。(解説は英語です)

 南米のジャングルが「地球の肺」であるなら、そこを流れる川と湿地は「静脈」と「動脈」と言えるだろう。ここは、世界で最も植物の多様性に満ちた大地であり、その多様性をもたらす役割を、川を行き交う魚たちが担っている。

 ブラジルのパンタナールは、面積18万平方キロの湿地帯で、年間降雨量は1400ミリ。そこにすむ淡水魚は、約600種の植物を食べる。なかでも大型の魚は、食べた果実の種子を遠くまで運ぶという、森にとって重要な役割を果たしている。実り豊かな夏の間、湿地のそばの森はしばしば浸水する。木々は果実を水中に落とし、魚たちはそれをのみ込んで糞と一緒に排泄する。大型の魚は胃も大きいので、より多くの種子を食べて、より遠くまで運ぶことができる。熱帯の森に生息する樹木種の95%までもが、このようにして広がっている。

 2017年11月に熱帯生態系の専門誌「Biotropica」に発表された研究によると、大型の魚は基本的に種子を丸ごとのみ込んで排泄するが、小さな魚の排泄する種子は、細かく砕かれていることが多い。例えば、サーディン類の胃の中に入った種子の63%は、咀嚼され壊れてしまっている。

 論文の共著者で米ミシシッピ州立大学准教授のサンドラ・ビビアナ・コレア氏は言う。「7000万年前には、既にアマゾンとパンタナールに森林が存在していました。つまり、7000万年の間、魚たちは果実を食べ、森の多様化を助けてきたのです」(参考記事:「アマゾンの森「動物たちの宴」を密着取材した」

 コレア氏は以前にも、パンタナールとアマゾンでの魚の乱獲が植物の成長と再生を阻害するという調査報告を出している。木の実を食べる魚のなかには、乱獲で最大90%減少した種もいるという。

果実を食べる魚

 大きな魚が食べた果実の種子は、発芽の可能性も高い。「種子が砕かれてしまえば、発芽の確率も下がります。私たちがトマトを食べても、種まで噛み砕くことはまずないでしょう。噛み砕かれてしまうかどうかは、種の大きさによります。大きな魚であれば、種を丸ごとのみ込むことが可能です。ただ、小さな魚でもそのままのみ込むことはあります」(参考記事:「【動画】サボテンを食べまくるラクダ、なぜ平気?」

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