群衆に火をつけられ、逃げるゾウの親子

写真が話題、人々はなぜゾウに火を投げつけたのか?

2017.11.14
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 居住地がこれほど接近している場合、双方が遭遇すれば深刻な事態を引き起こす。ゾウが農場に入り込み、作物を荒らし、家を破壊すれば軋轢が生じる。インドの日刊紙「the Times of India」の報道によると、西ベンガル州では、2015年1月から9月の間にゾウが原因で死亡した人は18人に上るという。2016年3月には、2人の命を奪った「迷子」のゾウが当局の命令により射殺された。一方、同州では、電線に接触して感電死するゾウが後を絶たない。(参考記事:「【動画】トラを重機で下敷きに、死因との関連不明」

「人々の理解が欠かせない」

 ハズラ氏が「the New Indian Express」紙に語ったところでは、今回、子ゾウは故意に火をつけられたのではないかもしれないが、それでもこの地域の農民は、ゾウを追い払うために、しばしばタールを燃やしたり、花火を使用したりしているらしい。想定外の事態に発展する恐れがある手段だ。

「人間と野生動物との対立を処理する上でまず最も大切なのは、群集を統制することです」とインドの自然保護団体「the Nature Conservation Foundation」の科学博士M・アナンダ・クマール氏は、2016年の英国雑誌「Geographical」の取材にこのように語っている。「これらの大型動物が広い空間を必要していることを、人々に理解してもらう必要があります。暴力に訴えても、悲劇につながるだけだ、と認識してもらわなければなりません」(参考記事:「野生動物との共生を模索、インドの農村」

 今回の場合は、最悪の事態に至らずに済んだ。ハズラ氏の話によると、群衆に襲われた子ゾウは、難を逃れたという。

文=Michael Greshko/訳=潮裕子

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