2024年に人類を火星へ、米スペースXが発表

野心的な火星移住計画の変更点を発表、倫理的な問題を指摘する声も

2017.10.04
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国際宇宙会議(IAC)でBFRロケットのイラストを背に解説するスペースX創業者イーロン・マスク氏。(PHOTOGRAPH BY PETER PARKS, AFP/GETTY)
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 米スペースX社の創設者イーロン・マスク氏が2060年代までに100万人を火星に移住させる大胆な計画を発表したのはちょうど1年前だった。その計画の変更点について、9月29日に、オーストラリアのアデレードで開催された国際宇宙会議(IAC)においてマスク氏が説明した。最終的な目標に大きな変更はないものの、42基のエンジンを備えたBFRロケット構想に修正が加えられる予定だという。(参考記事:「米スペースX、壮大な火星移住計画を発表」

Mars City Opposite of Earth. Dawn and dusk sky are blue on Mars and day sky is red.

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マスク氏のインスタグラム:地球とは正反対の火星の町。火星では夜明けと夕暮れが青く、日中の空は赤い。

 BFRの用途は、将来的に火星への飛行以外にも広げられる可能性があるとマスク氏は言う。たとえばBFRロケットを地球で使用し、どんなに離れた場所でも1時間以内に人が移動できるようにすることや、月面基地の建設に役立てることも検討されている。

【動画】イーロン・マスク氏、火星移住計画の最新情報を語る:2017年9月29日、豪アデレードで開催された国際宇宙会議(IAC)において、イーロン・マスク氏がスペースX社の計画について語った。(解説は英語です)

新しいBFR

 メキシコ、グアダラハラで開かれた2016年の国際宇宙会議で彼が発表した当初の「惑星間輸送システム」は、42基のエンジンを積んだ、全長120メートルの巨大なBFRを使用するとしていた。このロケットのブースターは、スペースX社がすでに打ち上げを開始している再利用可能ロケット「ファルコン9」をさらに大きくしたようなもので、燃料タンカーや乗客100人を運べる宇宙船を、繰り返し地球周回軌道に送り届ける。(参考記事:「ロケットの垂直着陸に成功、ファルコン9で2例目」

 最終的には、1000基の宇宙船が地球軌道上で待機し、地球と火星の位置関係が飛行に適するようになる26カ月ごとに、宇宙船団がソーラーパネルを広げながら火星に向かう。そして3カ月から6カ月の旅を終えた後、宇宙船は超音速の逆推進ロケットを作動させて「赤い惑星」にゆっくりと着陸し、そこに人類と物資を降ろすことになっていた。(参考記事:「祝20周年!探査機が撮った火星の絶景写真36点」

 だが、今回発表された内容によると、BFRは以前の計画よりも小さくなり、アポロ時代に宇宙飛行士を月に送り届けたサターンVよりもやや大きい程度となった。それでも新たなBFRが巨大であることに変わりはない。BFRには8階分の居住区画があり、その収容力はエアバスA380の客室よりも大きい。また、BFRの後部にはフィンが取り付けられ、これが大気の薄い、濃い、あるいはまったくない環境での着陸を容易にしてくれる。(参考記事:「アポロのエンジン、海底から回収される」

 マスク氏は、ロケットの建造を来年中に開始したいとしており、2022年には貨物だけを積んだロケット2基を打ち上げることも不可能ではないと述べている。

 もしこれが実現すれば、スペースX社は2024年にさらに4基の打ち上げを目指すという。そのうち2基は貨物を、もう2基は搭乗員を乗せる予定だ。この2度のミッションの内容は、火星で使用に適した水源を探すことと、火星に推進剤工場を建設することだ。地球と火星間の往復を持続的に行うには、火星での推進剤の製造が不可欠となる。(参考記事:「推進剤は火星で製造、最新版『火星の帰り方』」

【動画】人類の火星探査:火星に人類を送り込むことを目指し、数多くの組織が力を合わせている。今必要なのは、必ず火星に行くという決意と財政的な支援だ。(解説は英語です)

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