中国でロバ皮ブーム、アフリカで密輸が急増

南アのロバ解体処理場を直撃、密輸業者には「おいしい商売」

2017.10.02
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 ドンキー・サンクチュアリによると、ロバ皮を扱うナイジェリア、チャド、カメルーンの企業は、ワシントン条約により国際取引が禁じられている絶滅危惧種のセンザンコウも、商品として宣伝しているという。(参考記事:「ワシントン条約会議が浮き彫りにした9つの現実」「1.3億円相当、センザンコウのウロコ4トン押収」

 ケープタウン大学安全管理・犯罪学研究所のアネット・ヒュプシュレ氏は、「違法な商品を動かすためには強固なネットワークが必要です」と言う。「密輸業者にとっては、こうした商品を供給する人々と強い信頼関係を築くか、違法なものではないと信じさせることが重要になります」

輸出用に梱包されたロバ皮。ロバ皮を煮て抽出した膠(ゼラチン)は、血液疾患の治療に用いられる中国の伝統薬「阿膠(あきょう)」の主原料となる。(PHOTOGRAPH BY TONY KARUMBA, AFP/GETTY)
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 すでに、ロバ皮を扱うアフリカの複数の企業が、ロバの窃盗や違法な解体処理に関与しているとされている。ジンバブエのある会社は、ボツワナで数千頭分のロバ皮を買い付けて、モザンビーク経由で中国に出荷していると密告された。最近の捜査からは、ケニアの処理場に周辺諸国から密輸された大量のロバが持ち込まれていることも明らかになっている。

 こうした報道はほかの密輸商人の耳にも入り、ロバ皮ビジネスの大きな可能性に手を伸ばしつつある。アワビの闇取引を牛耳る南アフリカのチャイニーズマフィアの元構成員は、「私の知り合いのアワビのバイヤーは、去年からロバ皮の買い付けを始めました」と言う。「彼はこれまでも、売春からヒョウの皮やライオンの足の売買まで、いろいろな商売をしてきました。けれどもロバ皮の売買は基本的に合法なので、おいしい商売になっているようです」(参考記事:「乾燥タツノオトシゴ800万匹を押収、ペルーの港で」

※この記事は、南アフリカ、ウィットウォーターズランド大学ジャーナリズム学科が管理するアフリカ-中国レポートプロジェクトの助成金を受けて執筆された。

文=Kimon de Greef/訳=三枝小夜子

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