【動画】アマゾンで新種続々、2日に1種の割合

2年間で381種、すでに絶滅の危機にさらされている種も

2017.09.05
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【動画】アマゾンでは2日に1種の割合で新種が発見されている。(解説は英語です)

 生命の宝庫、南米ブラジルのアマゾン川流域では、平均して2日に1種の割合で新種の植物や動物が発見されていることが、世界自然保護基金(WWF)とブラジルの環境保護団体IDSMによる調査で明らかになった。

 調査では、2014年と2015年にアマゾンで発見され、新種として報告された脊椎動物と植物の数を追跡した。対象にしたのは、査読付きの論文誌のみ。したがって、新種と主張しても、ほかの研究者の支持を得ていないものは含まれない。(参考記事:「アマゾンの秘境マミラウア自然保護区」

 その結果、信頼に値する報告が寄せられた新種は381種に上る。その内訳は、植物216種、魚類93種、両生類32種、哺乳類20種、爬虫類19種、鳥類1種だ。

 このように多くの新種がアマゾン川流域で見つかるのは、とりたてて驚くことではない。その広大で多様な生態系には、すでに知られている世界中の動植物種の10%が生息している。(参考記事:「ありえない「アマゾン礁」の写真を初公開」

 調査に関わった専門家を驚かせたのは、これほどの数の大型哺乳類と爬虫類がずっと人目に触れずにいたことだとIDSMの生物学者パブロ・ナッサー氏は言う。

 なかでも最も驚くべき発見は、2015年に見つかったティティモンキーと呼ばれる新種のサルや、2014年に発表された新種のカワイルカなどだ。(参考記事:「ブラジルで新種のティティモンキー」「アマゾンカワイルカの新種発見か」

すでに絶滅の危機に

 しかしながら、この地域で加速度的に進む生息地の破壊によって、これらの種の多くが、科学者による調査が及ぶ前に絶滅に追い込まれる可能性があると報告書は指摘する。すでに国際自然保護連合(IUCN)は、新たに特定された動植物のうちの数種を絶滅危惧種に指定している。(参考記事:「新種の毒ガエルを鳴き声で発見、ペルー」

 アマゾン南部や東部の新種に迫る危機が、より深刻かもしれないとナッサー氏は言う。この地域における開発が最も急速に進んでいるからだ。アマゾンの多くの地区が国立保護区に指定されているものの、その状態は長くは続かないかもしれない。

 ブラジル政府は、8月24日、スイスの面積に匹敵する広大な保護区の指定を解除し、金や鉱物の採掘を可能にするという計画を承認し、物議を醸している。WWFブラジルのマウリシオ・ヴォイヴォディック事務局長は、声明の中で、この動向をゴールドラッシュと表現し、野生生物の状況に対しても、先住民との対立を深めるという意味でも、取り返しのつかない影響を及ぼすだろうと述べている。(参考記事:「アマゾンのヤノマミ族、希少な村に迫る「魔の手」」「アマゾン先住民、ダム建設で消える暮らし 写真19点」

 今年の夏、米国にある地球保全研究所(Global Conservation Institute)所長のローラ・マーシュ氏は、アマゾンで、生きた姿が目撃されたのは80年ぶりという珍しいサルを発見した。彼女はナショナル ジオグラフィックのインタビューで、その時の最初の感激は、すぐにこのサルがかくもあっさり見つかったことへの不安に変わったと語っている。すぐに見つかったのも、生息地の喪失が一因ではないかという。(参考記事:「【動画】アマゾンの幻のサル、生きた姿80年ぶり」

 ナッサー氏は、開発が新種の発見を加速しているのかはわからないが、保護区外に生息する種にとっては、人間の活動が最大のリスクになっていると懸念する。(参考記事:「アマゾンの巨大ダムが7割の動物を絶滅させる恐れ」

「この研究は、アマゾンが大変豊かであることを示すものです。これらの種を保護しなければなりません」

 IDSMは、特にこの地域を流れる河川域を中心に、新種の動植物の探求を続けていく予定だ。アマゾンの最北部と西部には、これまで科学的な探索がまったくなされていない地域もあり、ナッサー氏は次の新種はこのような場所で見つかるのではないかと考えている。

文=Sarah Gibbens/訳=山内百合子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加