【動画】激闘!ヒョウ vs アフリカニシキヘビ

 南アフリカ共和国のクルーガー国立公園で、珍しい光景が目撃された。ヒョウの子供のちょっとした好奇心がきっかけで、大きなアフリカニシキヘビとの死闘に発展したのだ。

 この動画は2016年7月、サファリツアーの参加者が撮影し、今月になって公開された。「ニシキヘビはどこ? 姿は見えないけれど、音は聞こえる」。ツアー参加者の1人がそう言った次の瞬間、ヘビがヒョウに襲いかかった。その場にいた人々は口々に「巨大だ」と言っている。

好奇心旺盛なヒョウと、短気なヘビ

 この日のツアーはすばらしいスタートを切った。参加者たちが樹上に1頭のヒョウを見つけたのだ。驚いたヒョウは地面に下りて、子供を呼び寄せた。そして、大自然の中で母と子が交流するという、人々の期待通りの光景が目の前で繰り広げられた。しかし、それは始まりに過ぎなかった。(参考記事:「南アフリカ最大の保護区で野生動物を堪能」

 ヒョウの子供が母親から離れ、車列の近くをうろうろし始めると、体長6メートルほどの大きなアフリカニシキヘビが現れた。アフリカニシキヘビはアフリカ最大のヘビで、時として攻撃的になることで知られる。

 米フロリダ自然史博物館の爬虫両生類学者ケネス・クリスコ氏は、以前ナショナル ジオグラフィックのインタビューで、アフリカニシキヘビは非常に短気で、「卵からかえるとすぐ攻撃を始めるほどです」と述べている。(参考記事:「男児を襲ったアフリカニシキヘビとは?」

 クルーガーのアフリカニシキヘビもまさに興奮し、攻撃するところだった。動画では、ヘビが口を開けて突進。ヒョウの子供が後ろに飛びのき、パンチが空を切る様子が映し出されている。その場にいた人々は息をのみ、まるでボクシングの試合を間近で見ているかのように、驚きの声を漏らす。

 アフリカニシキヘビは毒を持たないが、ほかの動物に巻き付き、絞め殺す。小動物から大きなアンテロープ(レイヨウ)、ときには人間まで、あらゆる生き物を攻撃することで知られる。(参考記事:「ヘビ対ワニ、どのように飲み込むのか」

母親の参戦

 ヒョウの母親がやって来て、子供は安全な場所に逃げるが、戦いはまだ終わりではない。ヘビの様子を見たツアーガイドが、「尾の先が丸くカールしているということは、攻撃態勢にあるということです」と説明する。

【参考動画】せっかくの昼食を吐き出してしまったニシキヘビ。(閲覧注意:刺激の強い内容を含んでいます。音声は英語です)

 アフリカニシキヘビは長く湾曲した歯を持ち、獲物に深い傷を負わせることができる。動画でも、母ヒョウにかみ付くが、降参させることはできなかった。結局、激しい戦いの末、母ヒョウがヘビを仕留め、子供とともに食事を楽しんだ。(参考記事:「【動画】子を襲われた母ネズミがヘビを猛攻撃」

 ヒョウは狩りの能力に長けており、ハイエナなどのライバルをかわすため、獲物を樹上に運んで食べることが多い。このように優れた能力を持ち、大型ネコ科動物の中では最も多様な環境に適応できるヒョウだが、多くの個体群が絶滅の危機にさらされていると考えられている。特にアフリカ以外の場所ではその懸念が大きくなっている。(参考記事:「ロシアのヒョウ復活へ、3頭を自然に放つ」

文=Alexandra E. Petri/訳=米井香織