【動画】新たに発見された海水湖を泳ぐクラゲ
字幕の翻訳:クラゲは海でよく見かける生物だが、海水湖という珍しい湖にもいる。この映像は、インドネシア西パプア州で新たに発見された海水湖で撮影したものだ。海水湖は全方向を陸地に囲まれた塩水の湖。全世界に約200の海水湖があるが、クラゲの存在が確認されているのは20足らずだ。ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーであるリサ・ベッキング氏がインドネシアを訪れ、クラゲが生息する4つの海水湖を記録。どの湖も独立しているため、それぞれが独自の生態系を築いている。また、海より水温と塩分濃度が高いため、将来、気候変動と水温上昇が海洋生物に及ぼす影響を垣間見られる。

 ここは熱帯インドネシア。穏やかな水面が日差しを受けてきらめいている。温かい湖に飛び込み、平泳ぎをしていると、触手を持つゼラチン質の生き物が次々と浮かび上がってくる。淡い黄色の体が真っ青な水とコントラストを織り成す。

 泳ぎながら辺りを見回すと、コーヒーマグくらいの半透明の生き物が数え切れないほどいる。「ゴールデンジェリーフィッシュ」というクラゲの仲間だ。毒を持つ大きなクラゲと異なり、ゴールデンジェリーフィッシュは無害だ。ミズクラゲと同様、刺胞がとても小さく、刺されたとしても何も感じない。(参考記事:「【動画】大量の「電気クラゲ」が海岸に漂着」

「海水湖(marine lake)」とは、陸地に囲まれた海水の湖で、世界で約200の海水湖が確認されている。パラオ、ベトナム、インドネシアに多いが、人里離れた場所にあるため、研究が進んでいない。なかでも、クラゲが生息する海水湖は数えるほどしかない。有名なのはパラオ、マカラカル島の「ジェリーフィッシュレイク」だ。(参考記事:「日本の国土より広い海洋保護区を可決、パラオ」

 そんな中、海洋生物学者のリサ・ベッキング氏がナショナル ジオグラフィック協会の支援を得て、海水湖の研究を行った。ベッキング氏は拠点を置くオランダのワーヘニンゲン大学で有志を募り、インドネシア西パプア州のラジャ・アンパット諸島を目指した。研究チームは海水湖の生物多様性を記録し、保護管理の計画を立てるため、2011年と2016年に現地を訪れた。

クラゲと泳ぐ

 海水湖は、石灰岩が浸食されてできたカルスト地形にある。ベッキング氏らが訪れた場所はカルスト特有の沈殿物が多いため、調査の第1候補に選ばれた。

 ベッキング氏らはトレッキングと試料採取の合間に、一帯の海水湖を2時間にわたって空撮。その映像をGoogleマップやほかの地図と照合し、まだ記録されていない海水湖が42もあることを発見した。

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