【動画】クラゲがすむ「湖」を発見、新種も多数

42の海水湖が新たに見つかる、独特の貴重な生態系

2018.03.05
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 海から離れている海水湖の様子を「まるで島のようです」と、ベッキング氏は表現する。「生物学では、島が重要な役割を果たします。生物多様性の成り立ちを調べるのに最適な環境だからです。いわば、巨大な自然実験のようなものです」。ベッキング氏らは13の海水湖を訪れ、そのうち4つでクラゲを発見した。

 4つの海水湖は、周囲の崖によって風から守られた部分循環湖だ。部分循環湖とは、湖水が層を持ち、完全に混ざらない湖のこと。深さは20メートルほどあり、水深約8メートル以下は無酸素の層で、真っ暗な水が細菌で満たされている。その下にもう1つ、人を寄せつけない硫化水素の層がある。

 一番上の層は、ゴールデンジェリーフィッシュとミズクラゲでカラフルにきらめいている。クラゲたちは毎日、日差しとともに移動し、日陰を避けて日なたに集まる。(参考記事:「死後3カ月たったミズクラゲが生き返った!」

「水面にクラゲが集まり、まるで泡立っているかのようです」とベッキング氏は話す。「とてもカラフルな現象です」(参考記事:「10億匹の青いクラゲが大量死、米国西海岸で」

 クラゲだけでなく、紫、ピンク、青、黄と色とりどりの海綿動物が100種以上も湖岸に生息している。ベッキング氏らは少なくとも4つの新種を発見した。(参考記事:「脳のない海綿動物も“くしゃみ”をする」

 ベッキング氏は調査の前、クラゲと一緒に泳いだ。恐ろしくて、直感に反する体験だったと振り返っている。私たちは子供のころ、クラゲには痛いとげがあるから、近づいてはいけないと教わったものだ。しかし、海水湖のクラゲは無害で、刺される心配がないため、人気の観光地となっている。ベッキング氏自身も結局、何度もクラゲと泳いだ。(参考記事:「【動画】海で脚が血まみれに、犯人は?対策は?」

「彼らは好きなように動き、いつもぶつかってきます」。ベッキング氏によれば、防水性のメモ帳に何かを書いているとき、クラゲたちがその周囲をよくうろついていたという。「まるでネコのようです。ただし、ネコのように気を引こうとしているわけではないと思いますが」

 ベッキング氏らは次のステップとして、1970年代以降の衛星画像を調べようとしている。画像に写った湖水の色から、クラゲがいるかどうかを判断し、色の変化とその理由を解明することが目的だ。もしかしたら温度の変化と関連づけられるかもしれない。(参考記事:「2017年の海水温は観測史上最高、研究発表」

「まだ調べるべきことがたくさんあります」とベッキング氏は話す。「こうした調査が生態系の理解につながると考えています」

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