恐竜絶滅、火山噴火がお膳立て、新たな研究でも

火山噴火の気候変動後に、小惑星の衝突がとどめの一撃か

2018.02.13
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気候変動が招いた大惨事

 米カリフォルニア大学バークレー校の地質年代学者ポール・レニ氏は、今回の研究には参加していない第三者の立場から、温暖化が非鳥類型恐竜の絶滅を早めたのは間違いないと話す。気温上昇の直後に突然寒くなるという急激な変化が、地球規模の大惨事をお膳立てした可能性が高いためだ。(参考記事:「三畳紀末の大量絶滅、原因は溶岩の噴出」

 極地の方へ移動することで、温暖化に何とか適応した生物がいたとしたらどうだろう。「もしその直後、急激に寒冷化したら、適応するのは難しいでしょう。寒冷化のスピードが速ければなおさらです」(参考記事:「恐竜絶滅期、淡水種の多くは生き延びた」

 筋書きは次の通りだ。火山の噴火によって世界が大混乱に陥り、多くの種が絶滅。気温上昇があまりに急激だったため、絶滅を免れた種も小惑星の衝突という第2の衝撃から身を守ることができなかった。

「恐竜は本当に不運でした」とウィグナル氏は話す。

 しかし、米テキサス大学オースティン校の地球物理学者ショーン・ギューリック氏は納得していない。ギューリック氏はメキシコで、クレーターの中心を掘削するプロジェクトを率いたばかりだ。ギューリック氏は、小惑星が衝突するまで、生態系はほぼ無傷だったと示唆する複数の研究結果を引き合いに出している。(参考記事:「恐竜の絶滅、カギは小惑星の衝突時期」

 ギューリック氏はチャン氏らの研究について、デカン・トラップでの噴火が大量絶滅初期の生態系の変化に関連しているという主張を認めている。ただし、中国以外の場所でも同じことが起きたという証拠を見たいと述べている。

「1つの湖盆での出来事を地球規模の現象と同列に論じることはできません」

 米パデュー大学の地球物理学者で、掘削プロジェクトの初期の結果をまとめているジェイ・メロシュ氏によれば、近々発表する論文では、小惑星が1度衝突しただけで大量絶滅が起きたと強く主張する可能性があるという。今後も、6600万年前の地球を激動させた出来事に負けないほどの勢いで、激しい論争はまだまだ続く。

文=Shannon Hall/訳=米井香織

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