【動画】母親ゾウ、リカオン集団からわが子を守る

子ゾウを狙うリカオンの群れ、威嚇し守ろうとする母親ゾウ

2016.02.01
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【動画】母親ゾウが大声をあげてリカオンの群れから我が子を守る。南アフリカ共和国Ingwelala自然保護区にて、観光客が撮影。

 南アフリカ共和国の自然保護区で、母親ゾウが大声をあげてリカオンの群れから我が子を守ろうとしている動画を、観光客が撮影した。(参考記事:「【動画】子を襲われた母ウサギが、ヘビに猛反撃」

 一見して、緊迫したシチュエーションであることがわかる。母親と子ども、そしてもう1頭のゾウが、14匹を超えるリカオンに囲まれている。リカオンは、群れで協力して狩りをする動物だ。

 しかし社会性をもつゾウは、そのコミュニケーション能力を駆使して敵よりも優位に立った。ゾウの行動を専門とする米スタンフォード大学のケイトリン・オコンネル-ロドウェル氏によると、ゾウは一般的に、窮地に陥ると喉からトランペットのような唸り声を出す。

 リカオンはその声にひるんだが、この唸り声の役割は、敵を躊躇させるだけではないと、オコンネル-ロドウェル氏は言う。同氏はナミビアのエトーシャ国立公園で、ゾウがライオンやハイエナを相手に同様の戦いに挑むシーンを目撃したことがある。

「同じような唸り声を出していますが、(ゾウのより大きな)グループを呼び戻しているようです」。動画を見ると、森から何頭かのゾウが現れ、最終的にリカオンは散り散りになっている。(参考記事:特集「ケニア ゾウの大家族」

【動画】かわいい!戯れる赤ちゃんゾウ

 この戦いを撮影した南アフリカ人旅行者のデニス・ブラウニング氏は、英国の通信社の取材にこう話している。「ゾウとリカオンの間で非常に騒がしい攻防がありました。母親がトランペットのような声を上げながら突進すると、リカオンはいったん散らばるものの、すぐにまた群れをなします。そして、子どもに向かって動き始めるのです。しばらくすると、3頭と同じ群れのゾウたちがやってきて、土手の上で親子を待っていました」

 しかし、オコンネル-ロドウェル氏は、助けに来たメンバーこそ子ゾウを危険にさらした原因である可能性が高いと指摘する。群れの中の順位が低いと思われる母親を置き去りにしたのではというのだ。「若い母親は、この例のように、家族の群れから離れることがあります。赤ん坊がいると攻撃を受けやすいため、自ら家族の群れと距離を置こうとするのです。それはさらに危険な状態を母子にもたらします」(参考記事:「【動画】くしゃみをする子ゾウがかわいい」

 ブラウニング氏は、結末に「安心しました」と述べている。「この光景に出くわして最初は、生死をかけた勝負の瞬間を見られると興奮もしましたが、すぐに小さな子ゾウを全面的に応援していました」

文=Michael Greshko/訳=堀込泰三

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