【動画】赤ちゃんゾウを穴から救出、母の元に

ケニアで起こったドラマチックな一幕をカメラがとらえた

2017.01.05
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【動画】水飲み穴にはまった赤ちゃんゾウをヘリコプターで救出。

 人工の水飲み穴にはまった赤ちゃんゾウのもとへ、デビッド・シェルドリック野生動物トラストのレスキューチームが駆けつけて電光石火の救出作戦を展開し、赤ちゃんが母親の元へ戻された。

 この救出劇の現場となったのは、ケニアのツァボ・イースト国立公園。妻や友人たちと一緒に旅行で現地を訪れていたスイスのクリスチャン・ハイマンさんが、その一部始終をカメラに収めた。(参考記事:「【動画】水場にひっくり返ったゾウを救出」

 ナショナル ジオグラフィック・エクスプローラーで、ゾウの行動の研究しているジョイス・プール氏によると、こうした人工の水飲み穴は、アフリカの国立公園では、ロッジの周辺でごく一般的に見られるものだという。(参考記事:「みなしごゾウを育てる」

「ロッジの近くには、動物を引き寄せるために水飲み用の溝や穴が作られることがよくあります。旅行者が飲み物を片手に野生動物を眺めることができるようにするためです」

 おとなのゾウは水飲みの経験が豊富で、その場に応じて、膝をついて飲んだ方がいいのか、それとも鼻から吸い込んだ方がいいのかを見極めることができる。しかし赤ちゃんゾウはおとなほど体のバランスが安定せず、練習も足りないため、トラブルが起こることが多い。そこが人工の水飲み場に頼らざるを得ない乾燥した地域であればなおさらだ。(参考記事:「【動画】かわいい!戯れる赤ちゃんゾウ」

「喉が渇いた赤ちゃんゾウは、つんのめって水に落ちたり、水を飲もうとしたりしているうちに転落してしまうのです」とプール氏は言う。

 動画に出てくる水飲み穴はさほど深そうには見えないが、赤ちゃんゾウは肌がかすかに桃色味を帯びていることから、おそらくは生まれて間もないものと思われる。

「あと数日分、経験を積んでいれば、穴から這いあがれたかもしれません。しかしあの子ゾウはおそらく生後1週間もたっておらず、まだ体を動かす感覚を身につけている最中だったのでしょう」(参考記事:「【動画】ゾウが池に落ちた仲間を励ます」

 たいていのケースでは、母親が自力で子供を助け出すことができることから、プール氏はこの母親がまだ若く、子供を持つのが初めてなのではないかと推測している。また母ゾウは気が動転し、いらついているように見える。それは母ゾウの尾が持ち上がり、頭が上げられ、耳が張り、脚で土を掘り返したり、蹴飛ばしたりしていることから見て取れる。(参考記事:「仲間の心に寄り添うゾウの共感能力」

 あのままでは、母ゾウは決して子ゾウのそばを離れなかっただろうとプール氏は言う。レスキューチームがヘリコプターを使ったのはおそらくそのためだ。子ゾウに近づくにはまず母ゾウを追い払わなければ、命の危険があるからだ。

 母ゾウと子ゾウは無事、合流を果たしたものの、プール氏は、子ゾウが左の後ろ脚に怪我をしているように見えると指摘している。歩き去る子ゾウは脚を引きずっており、こうした状態では捕食者に目を付けられやすくなる。

文=Alexandra E. Petri/訳=北村京子

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