【動画】「生きた化石」ウミシダの泳ぐ姿が芸術的

2億年の歴史をもつ海の無脊椎動物が海を泳ぐ、美しく珍しい映像

2016.12.14
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【動画】ひらひらと泳ぐ海洋生物ウミシダ
ウミユリの1種であるウミシダは、捕食動物から逃げるために泳ぎを身につけたと考えられる。2016年12月9日撮影。

 海の無脊椎動物ウミシダがひらひらと泳ぐ、美しく珍しい映像が撮影された。

 ウミシダは、ヒトデと同じ棘皮動物。体の中心部を取り巻くように伸びた羽根のような腕を持つ。米ミシガン大学の古生物学教授トマシュ・K・バウミラー氏によると、2億年も前から生存しているという。「ウミシダは、生きた化石と考えられています。とても多様性に富んでいて、その起源ははるか地質学的な過去にまで遡ります」

 生息域は広い。世界中、赤道付近から北極や南極地方まで、浅瀬の岩礁から深海まで広く分布するが、とりわけ太平洋の西端、アジアの海がウミシダの「多様性のゆりかご」になっているという。

 今回の美しい映像は、オランダのプロダイバー、エルス・ファン・デン・アインデン氏が、東南アジア、タイの海で撮影したもの。すべてのウミシダがこのように優雅に泳ぐわけではなく、海底を這うだけのものも多い。泳ぐようになった理由については、捕食動物から逃げるため、離れた場所への移動を楽にするためなど、いくつかの説がある。(参考記事:「写真:ナマコが産卵する決定的瞬間」

 いずれにしろ、水中を進むこの動きには見とれてしまう。

「ウミシダの見栄えの良さは、泳ぎのおかげだけではありません。色や大きさも理由です」とバウミラー氏。ウミシダの色は多様で、鮮やかなオレンジ色や黄色をしたものもある。腕の長さは、大きいものでは30センチにもなる。(参考記事:「スコットランド沖に生息するウミシダの1種」

 腕は少ないもので5本、多いものでは200本もある。普段は海底にしがみついたまま腕を広げ、漂ってくる有機物などを集めて摂取する。腕は、トカゲの尻尾切りのように切り捨てることが可能だ。これも捕食動物から身を守るためだと考えられている。(参考記事:「フォトギャラリー:奇妙で美しい暗闇の生き物たち」

文=Alexandra E. Petri/訳=山内百合子

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