世界最大級、49個の巨大陥没穴群を中国で発見

希少な植物や鮮やかな赤毛のムササビも

2016.12.05
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【動画】中国で新しく発見された天然の陥没穴群。原生林やムササビの一種などが見つかっている。

 中国で49個の巨大な陥没穴群が発見された。天然の陥没穴がこれほど集中しているのは世界でもほかに例がないという。

 陥没穴群は、中国政府の研究者らが陝西省漢中付近にある秦嶺・巴山の山岳地帯を4カ月にわたって調査している最中に発見された。陥没穴は、調査が行われた約5180平方キロのうち、600平方キロの地域に集中している。最大のものは直径520メートル、深さ320メートル。付近では、希少な植物や鮮やかな赤毛のムササビも見つかっている。(参考記事:「2011年2月号特集:厳冬のキンシコウ」

 この陥没穴群は、地下水が何十万年もかけてゆっくりと地下の石灰岩などを溶かしてできた「カルスト地形」と考えられている。同じような地形は世界各地で見られる。中国メディアによれば、新しく発見された穴の1つを調査したフランス人洞窟探検家ジャン・プタジ氏は「世界でもっとも美しい陥没穴」と言ったそうだ。(参考記事:「中国 巨岩の帝国」

 地元の自治体は、この陥没穴群や一帯の険しくも美しい景色が注目され、観光客が集まることを期待している。さらに自治体は、過去の気候を地質学的に記録している可能性があるこの地域を保護しようと動き始めている。

 陥没穴は、地下に発達した空洞の表層が崩壊してできると、米国地質調査所のランダル・オーンドルフ氏は以前のナショナル ジオグラフィックの取材に回答している。(参考記事:「陥没穴、発生のしくみと原因」

 こうした陥没穴は、徐々にできることもあれば、突然できることもある。場合によっては、建物や車が巻きこまれるおそれもあり、死亡事故を引き起こすケースもある。地中探査レーダーなどの高度な探査技術がなければ、地表が崩壊する前に陥没の兆候を見つけるのは難しい。建設工事や水管理の不備などが原因で、人為的な陥没穴ができ、大惨事を招くこともある。(参考記事:「突然の崩没、北京の道路に陥没穴」

文=Brian Clark Howard/訳=鈴木和博

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