エイリアンのようなクモ発見、枯れ葉に擬態

専門家も困惑した変装ぶり、おそらく新種、中国雲南省

2016.11.18
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中国南西部の熱帯雨林で見つかった成体のメスのクモ。木の葉に擬態するクモが発見されたのは初めてだという。(PHOTOGRAPH BY MATJAZ KUNTNER)
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 ある夜、クモ学者のマティヤジュ・クントネル氏が登山用ヘッドライトをつけて中国雲南省の熱帯雨林を歩いていると、1本のクモの糸が照らし出された。

 それ自体は驚くようなことではない。しかし、木の枝から伸びた糸の先にぶら下がった葉っぱが彼の注意をひいた。近寄ってよく見てみると、彼が木の葉だと思ったものの1つが実際にはクモであることが分かった。(参考記事:「【動画】「ニセのクモ」で鳥をだまして食べるヘビ」

「クモの巣があるところにはクモがいるのは当たり前です」と、米国のスミソニアン研究所とスロベニアの進化動物学研究所に所属するクントネル氏は言う。

「けれどもこのクモには本当に驚かされました」(参考記事:「ぼくが出会ったなかで一番スゴイ擬態昆虫」

木の葉の間に隠れるクモ。木の葉に擬態するこのクモは新種と考えられている(PHOTOGRAPH BY MATJAZ KUNTNER)。
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 クモ学の専門誌「Journal of Arachnology」で、氏はこの発見を報告した。その論文によると、このクモは丸い網を張るコガネグモ科のゲホウグモの仲間で、糸を使って木の枝から枯れ葉をぶら下げ、その枝の間に身を隠すという。クモがそんなことをする理由はまだ分からないが、捕食者から隠れたり獲物に忍び寄ったりするためではないかと推測している。(参考記事:「800メートルの巨大クモの巣見つかる」

 木の葉に擬態する種が発見されたのはこれが初めてで、クントネル氏らは、新種のクモを発見したのではないかと考えている。(参考記事:「鳥の糞に擬態するギンナガゴミグモ」

クモ隠れの術?

 動物たちは、捕食者や獲物から身を隠すために無数の方法を進化させてきた。動物の隠蔽的擬態には、自分の姿を見えにくくする場合と、捕食者が関心を持たないほかのものに変装する場合がある。(参考記事:「華麗なる擬態の世界」

「前者の擬態は感覚を欺き、後者は脳を騙すのです」と、英ニューカッスル大学で擬態を研究している昆虫学者のジョン・スケルホーン氏は説明する。

 木の葉への擬態は、特に節足動物やその他の小型動物に多い。例えばコノハチョウは、カビによる斑点に至るまで枯れ葉にそっくりだ。(参考記事:「コノハチョウ擬態の謎、解明か」

 スケルホーン氏によれば,擬態は、自分と同じようなものが周囲にあるほど成功する可能性が高くなるという。

 木の葉に擬態するクモにとっても同じである。このクモは、地面に落ちている枯れ葉を木の枝まで運び上げて、自分の身を隠すのに利用しているようだ。

 このクモの腹部は木の葉のような涙型をしていて、背側は青葉のような緑色、腹側は枯れ葉のような茶色をしている上、柄の葉脈に似た構造まである。(参考記事:「葉脈から朽ち加減まで再現した超擬態昆虫」

数人が数日がかりで見つけたのは2匹

「これまで発見されなかったのは、あまりにも見事な擬態のせいでしょう。専門家が数人がかりで探したのに、ほとんど採集できませんでした」とクントネル氏。

木の葉に擬態しているのは、捕食者の関心をひかないようにするためかもしれない。(PHOTOGRAPH BY MATJAZ KUNTNER)
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 研究チームは、このクモを2匹しか発見できなかった。夜のハイキングで最初に見つけた成体のメスと、その数日後に見つけた若い個体だけだ。(参考記事:「自らを飾る驚異の装飾系動物6選」

 予備的に得た遺伝データから、この2つの標本は新種であると考えられるが、それを確認するためにはさらなる研究が必要だ。

 こんなふうにして人目を避けている生物が、あなたの周りにもまだまだいるのかもしれない。

文=Carrie Arnold/訳=三枝小夜子

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