【動画】川で遊ぶクマを至近距離で撮影した

こっそり撮るつもりがクマのおもちゃに

2016.11.21
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【動画】川に浮かべたカメラに反応するハイイログマ(解説は英語です)

 川につかったハイイログマ(グリズリー)を至近距離で撮影した珍しい映像が公開された。場所はカナダ、ブリティッシュコロンビア州南部ナイト入り江にそそぐ清流。若いクマが、じゃれるようにカメラのにおいをかいでいる。

「最初、深さ2メートルくらいある場所で、魚を捕まえるクマたちを撮ろうと考えました」と語るのは今回の動画をアップロードした「Newsflare」のメンバー、キッチンシンク氏。「でも私が水中にいたら、クマたちが飛び込んできません。だから、目立たずクマたちの気を引かないだろうこのカメラが必要だったのです!」

 同氏は自作の箱舟の上下にGoProのカメラを1台ずつ取り付けた装置で、野生動物の行動を至近距離からのぞき見ることに成功した。(参考記事:「【動画】衝撃、子グマを食べるホッキョクグマ」

「このクマは間違いなく、カメラに興味津々です」と指摘するのは、米ミネソタ大学の生物学教授でクマプロジェクトのリーダーでもあるデイブ・ガーシェリス氏。「クマは好奇心旺盛です。動画に映っているような若いクマは特にそうです」

 撮影者はもっと自然な行動を撮影したいと考えていたが、若いクマは奇妙なこのカメラに心を奪われてしまったようだ。「カメラには独特のにおいがありますし、何より水中ではよく目立ちます。好奇心でカメラを壊してしまうクマも珍しくありません。私たちが研究に使うカメラを金属で囲うのはそのためです」とガーシェリス氏は話す。(参考記事:「ヒョウアザラシ目線で見る狩り、衝撃の映像と生態」

 ガーシェリス氏は動画からクマの性別を判別するのは難しいと述べているが、このクマを長く観察したキッチンシンク氏は雌だと言う。

 ブリティッシュコロンビア州のハイイログマは個体数が安定し、繁栄している。州が設定した短い狩猟期には、動物保護派と狩猟推進派の対立がたびたび報じられる。「狩猟は道徳的、倫理的な問題です。個体数への影響が論じられているわけではありません」とガーシェリス氏。

 ハイイログマはブリティッシュコロンビア州の重要な観光資源でもあり、沿岸地域には多くの宿泊施設が並び、ツアーが運営されている。餌のサケが川に戻って来る季節には、クマが群がる様子を見ることもできる。満腹になったクマは予測不能な行動や危険な行動が減ると考えられている。ただし、野生動物であることには変わりなく、むやみに近付くべきではない。(参考記事:「餌を与えればクマの被害を防止できる?」

 つまり、クマとのツーショットを撮るのはやめた方がいいということだ。(参考記事:「人を襲ったクマは殺されるべきか」

 ただし、「(この動画が)クマに対するハラスメントとみなされることはないと思います」とガーシェリス氏は話す。「魚を捕まえようとしているときに、妨害されたというわけでもありません。ただカメラに興味があっただけでしょう」

文=Brian Clark Howard/訳=米井香織

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