【動画】巨大イセエビを捕獲、重さ6キロ超

バミューダ海域にハリケーンが連れてきた「海のモンスター」

2016.10.21
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
釣り針のシーンは55秒あたりから

 北大西洋のバミューダ沖で、ある釣り船が6キロを超える巨大なイセエビを捕まえ、フェイスブックに動画や写真を投稿した。イセエビはその後海へ返されたという。

 船を所有するサンクチュアリー・マリン・バミューダ社は「ハリケーン・二コルが連れてきた海のモンスター」とコメントしている。(参考記事:「左右の色がくっきり異なるロブスターが見つかる」

 さらに「つま先(原文のまま)に掛かっている釣り針が見えるでしょうか。イセエビは偶然見つけただけだったので、とりあえず陸に揚げて針と糸を外し、海へ返してやりました」と付け加えている。(参考記事:「【動画】鼻にストローが刺さったウミガメを救助」

 念のため、船の上で証拠写真も撮った。(参考記事:「海の生物は痛みを感じるか? 議論再燃」

 船はその夜、通過したばかりのハリケーンのせいで魚たちが海面近くまで浮上していることを期待して、タイ釣りに出ていたという。

 今回捕獲されたのはアメリカイセエビ(Panulirus argus)と思われる。英語名は「カリビアン・スパイニー・ロブスター」といって、広い意味では大型の歩くエビ全般を意味する「ロブスター」の仲間だが、狭い意味では「スパイニー・ロブスター」、つまり、イセエビ科の一種だ。暖かい海を好み、米国やヨーロッパによく見られるアカザエビ科の狭義のロブスターと違って、ハサミがない。

 ロブスターもイセエビも10本足の甲殻類で、エビやカニの仲間だ。海底を好み、世界中の海に生息しているが、汽水や淡水環境にも見られる。視力は弱いが、鋭い味覚と嗅覚を持つ。主に魚や軟体動物をエサとするほか、藻や他の植物類、時には他の大型のエビを食べることもある。(参考記事:「ロブスターは正常位、海の中の仰天セックスライフ」

 ちなみに、ギネス世界記録に認定された世界最大のロブスターは、1977年にノバスコシアで捕獲されたもので、体重が20キロ近くあった。そのほとんどを占めたのは肉がたっぷりと詰まったハサミだった。

 アカザエビ科のロブスターは、生まれてから死ぬまで成長し続けるため、中には巨大化してしまうものもある。何者かに捕食されない限り、少なくとも50年は生きると言われる。

イセエビ 双子?三つ子?イセエビの母親は一度に70万匹の子どもを産む。だが、その中で生き残るのはわずか3%のみだ。

 アメリカイセエビは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「情報不足」に分類され、保全状況を判断するにはさらなる調査が必要であるとされている。フロリダとキューバ沖の漁業は比較的安定しており、管理も行き届いているが、それ以外では、ブラジルまで広がる生息域の全てで乱獲の可能性があると、IUCNは書いている。水揚げ量は、1990年代半ばにピークを迎えた後は下降線をたどっており、漁業関係者の間にも懸念が広がっている。

 だが、アメリカイセエビには他の種にはない特殊能力が備わっている。生体磁石によって方向を知ることのできる磁気感覚を持つといわれている。

文=Brian Clark Howard/訳=ルーバー荒井ハンナ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加