ロシアの川が真っ赤に、工場の排水が原因か

環境汚染の街ノリリスク近郊、住民は工場を疑う

2016.09.09
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@basalyga_katerina_nlというインスタグラムのユーザーによる投稿。「ナデジュダ工場からの排水」と書かれており、「悲しい」「見ると恐ろしくなる」という意味のハッシュタグがつけられている。

 ロシアのダルディカン川が、わずか数日のうちに通常の青緑から明るい赤に変色した。北極圏内に位置するノリリスクという工業都市を流れる川だ。原因に関する科学的な公式見解は発表されていないが、2つの説があがっている。(参考記事:緑色の湖が3カ月で真っ赤に、ウルミア湖

 1つ目は、この地域の土壌に豊富に含まれている鉄に由来するという説。2つ目は、化学物質の漏えいによるという説だ。

 ノリリスク近郊には多くの工場があり、この町は環境汚染の問題に苦しめられている。米ABCニュースの報道によれば、ロシア天然資源・環境省は、ノリリスク・ニッケルという金属鉱業会社のニッケル工場の排水管が漏水を起こしている可能性をあげている。環境省はソーシャルメディアへの投稿がきっかけとなって動き出したが、現在もまだこの赤い汚染物質の正確な原因を突きとめようとしている段階だ。(参考記事:最も汚染された街、デリーの写真28点

 米国の地理情報サイト、アトラス・オブスキュラによれば、この地域に多くの工場を所有するノリリスク・ニッケルは、自社設備からの漏水を否定しており、万一のために環境の点検を行っているという。ナショナル ジオグラフィックの取材に対しても、何らかの漏えいが川の状態に影響を与えているという事実は確認できていないと回答。引き続き、川や生産拠点の周辺環境を監視しているとした。また、川に近い工場での生産も減少させているという。

 地元の住民たちは驚いていない。以前にも川が赤くなったことがあるからだ。ABCニュースは次のような報道もしている。ソーシャルメディア上のある人物によれば、近くの工場の労働者たちは工場の貯水池を“紅海”と呼んでいる。鉱石が混じった水が流れこんで赤く変色しているからだ。(参考記事:オバマ大統領が非常事態宣言、水道鉛汚染の現実

文=Heather Brady/訳=鈴木和博

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