イタリアとミャンマーでM6地震、同日発生は偶然

専門家に聞いた、イタリア地震の被害伝える写真10点も

2016.08.26
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マグニチュード6.2の地震でがれきと化したイタリア、アマトリーチェの街。懸命な捜索救助活動が行われている。(PHOTOGRAPH BY MASSIMO PERCOSSI, EPA)
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 8月24日、イタリアとミャンマーで地震が発生、ともに大きな被害を及ぼした。特にイタリアでは歴史的な建造物が倒壊するなどで被害が拡大、現在も救助活動が続いている。2つの地震は8000キロ以上離れた場所で起きたものだが、イタリアはマグニチュード6.2、ミャンマーは6.8と規模はよく似ている。2つの地震に関連性はあるのだろうか? 

 2人の地球物理学者、米地質調査所国立地震情報センターのジョン・ベリーニ氏、米コロンビア大学ラモント=ドハーティ地球観測所のマイケル・ステックラー氏に話を聞いた。

――イタリアとミャンマーの地震に関連性はありますか?

ベリーニ氏: 2つの地震に関連性はありません。地域が異なり、断層も異なるためです。偶然、同じ日に地震が起きただけです。地球全体では年間に150回ほど地震が起きています。マグニチュード6~6.9の地震も週2~3のペースで発生しています。

 マグニチュード8~9の大地震や、ときに7強の地震が、ほかの地域に小さな地震を引き起こすことはありますが、地球の裏側にまで影響を及ぼすことはありません。

ステックラー氏:関連性はないと思います。2つの場所がとても離れているためです。この規模の地震では、断層長は50~100キロ程度です。地震の応力によって別の地震が引き起こされるとしても、その範囲はせいぜい400キロ圏内です。今回の地震規模であれば、もっと狭いかもしれません。

――どちらも地震が起きやすい地域ですか?

ベリーニ氏:イタリアにもミャンマーにも活断層があり、イタリアの方が、小さな地震が頻発しています。マグニチュード6規模の地震もたびたび起きています。

ステックラー氏:イタリアには、数百年分の地震の記録が残っています。ミャンマーは2016年に入ってから、今回と同規模の地震が1回起きています。そのスラブ内で地震活動が起きていることは間違いないでしょう。

ベリーニ氏:地震の回数はミャンマーもイタリアも同程度ですが、最大規模の地震を比べてみると、ミャンマーの方がかなり大きな地震を経験しています。イタリアの地震は大きくてもマグニチュード7前後ですが、ミャンマーやネパールではマグニチュード8規模の地震が起きています。イタリアでマグニチュード8の地震が起きないというわけではありませんが、ミャンマーの方が頻度は高いです。(参考記事:「南アジアで巨大地震の可能性、最大でM9.0」)(参考記事:「ネパール大地震、現場の写真20点」

【イタリアの地震被害の写真10点】
写真はこちら(PHOTOGRAPH BY MASSIMO PERCOSSI, EPA)

――イタリアの方がミャンマーより余震が多いようですが。

ベリーニ氏:ミャンマーでは余震が記録されていないだけです。地震活動に関して言えば、イタリアはミャンマーと異なり、計測の設備が整っています。地質調査所のウェブサイトで地震の情報を提供していますが、おそらくすべてイタリアのデータに基づく情報です。

 余震の回数や規模は本震の規模にも左右されます。最初の振動の影響が収まるまでにはしばらくかかります。余震は“調整”のために起きる振動なのです。

 どちらの地域も、おそらく数週間は余震が続くでしょう。イタリアの地震と同じマグニチュード6.2の場合、マグニチュード5の余震が何度か発生すると予測されます。特にイタリアでは、この規模の余震であっても、さらなる被害が発生すると考えた方がいいでしょう。

――地震の規模はミャンマーの方が大きいにもかかわらず、イタリアの方が大きな被害を受けているように見えるのはなぜですか?

ステックラー氏:ミャンマーのプレートの沈み込み帯は比較的深い位置にあります。今回の地震は、震源の深さが84キロでした。震源が浅い地震に比べると、揺れは広範囲に及びますが、被害は小さいかもしれません。(参考記事:「米西部で地震~断層の動き方を知る」

 イタリアの地震は震源がはるかに浅く、地表に近い分、より深刻な被害をもたらしました。イタリアでは、メサと呼ばれる急斜面の頂上に建物をつくることが多く、振動が増幅されている可能性があります。また、石造りの古い建物が多く、こちらも地震には強くないのです。

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