【動画】子を襲われた母ネズミがヘビを猛攻撃

「子を返してほしい一心でやみくもにかみついている」と専門家

2016.07.08
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【動画】子を襲われた母ネズミがヘビを猛攻撃

「窮鼠、蛇をかむ」

 これはイタリア、ナポリで撮影された1つの戦いから得た教訓だ。映像では、子ネズミをくわえたヘビに、母ネズミが猛攻をしかけている。

 この戦いで勝利を収めたのは、ネズミの親子だ。

 米マイアミ大学の生物学者で、小型哺乳類を研究するダナ・クレンペルズ氏は「ネズミはかなり凶暴な捕食動物で、ほかの動物の命を奪うこともあります」と説明する。「もし体が大きかったら、私たち人間だって危ないかもしれません。彼らは知能も発達しています」(参考記事:「ネズミの恩返し行動を発見、人間以外で初」

 映像のヘビはおそらく、おとなのネズミと無傷で戦えるほど大きくも強くもなかったのだろう。あまり応戦することなくあきらめたようだ。クレンペルズ氏によれば、ナミヘビ科レーサー属の毒を持たないヘビに見えるという。

「母ネズミの方がはるかに失うものが大きい状況です。自分の遺伝子を半分受け継いだ子どもが連れ去られているのですから。一方のヘビが失うのは、1回分の食事だけです」(参考記事:「【動画】子を襲われた母ウサギが、ヘビに猛反撃」

 ただし、ヘビの行動も普通ではなかった。ヘビは通常、獲物を運び去ろうとするのでなく、すぐに食べてしまう。

 また、ヘビを攻撃する時に腹を狙う動物がいるが、クレンペルズ氏によれば、母ネズミがそんな狙いを定めていたかはわからないという。「ただやみくもにかみついているように見えます。『わたしの赤ちゃんを返して!』という一心だったのかもしれません」(参考記事:「【動画】母親ゾウ、リカオン集団からわが子を守る」

 動物の子どもが生き延びるのは大変だ。ワタオウサギは巣穴での死亡率が高く、平均寿命はわずか2週間ほどと推測されている。ネズミは知能が高く、仲間に共感する生き物だが、それでも似たような環境で暮らしているのではないかと、クレンペルズ氏は話す。

 ある研究によれば、ネズミはおやつのチョコレートに目をくれることもなく、仲間を助け出そうとするという。「ネズミは小さいですが、決して弱虫ではありません。窮地に追い込まれたネズミがいたら、私は走って逃げます」(参考記事:「共食いするシデムシ、動物界の“悪母”」

文=Brian Clark Howard/訳=米井香織

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