超精細な天の川画像、欧州の天文台が発表

見たことのない精細な天の川、画像700枚をつなぐ

2016.03.01
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
画像の全体を見るには、画像下のスクロールバーを利用するか、画面をスワイプしてください。(ESO/APEX/ATLASGAL CONSORTIUM/NASA/GLIMPSE CONSORTIUM/ESA/PLANCK)

 息をのむほど美しいこの画像は、南半球から見える天の川だ。

 ヨーロッパ南天天文台は、ATLASGAL(APEX Telescope Large Area Survey of the Galaxy:APEX望遠鏡銀河系広域探査)プロジェクトを終えるにあたり、私たちの故郷である天の川銀河(=銀河系)の新たな眺めを発表した。

 巨大な画像に写っているのは銀河系の円盤に沿った面(銀河面)の全体像。地球は銀河系の中にあるため、私たちは銀河系を内部から見るしかない。夜空に見える恒星のほとんどすべてが銀河系の中にあり、夜空を帯のように横切る天の川は、銀河系の中で恒星が特に密集している領域である。(参考記事:「天の川を見て方位を知るフンコロガシ、日中は?」

 今回の画像には、チリのアタカマ砂漠にあるAPEX望遠鏡で行われた700回以上の観測の成果が使われた。銀河系の中心部のように新たに星々が生まれてくる領域や、ガスと塵が漂う絶対零度に近い低温の領域の様子が、これまでよりも詳細にとらえられている。

異なる波長で観測した天の川の中心領域を比較したもの。上から順に、サブミリ波画像(APEX望遠鏡とプランク衛星が撮影)、赤外線画像(NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が撮影)、近赤外線画像、最後がおなじみの可視光画像。(PHOTOGRAPH BY ESO/ATLASGAL CONSORTIUM/NASA/GLIMPSE CONSORTIUM/VVV SURVEY/ESA/PLANCK/D. MINNITI/S. GUISARD)
[画像のクリックで拡大表示]

 銀河系の南半分がサブミリ波(赤外線と電波の中間の波長)で撮影されたのは、今回が初めて。全体像では、これまでにさまざまな波長の光を使って撮影された画像が組み合わされている。APEX望遠鏡が撮影したのは赤色の部分で、背景の青色の部分はNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線画像、淡い赤色の部分は欧州宇宙機関(ESA)のプランク衛星が撮影した画像である。(参考記事:「天の川銀河の謎に迫る:2つの最新研究」

 ATLASGALがこの画像に使ったデータを収集するだけでも、3年にわたり400時間以上の観測が必要だった。(参考記事:「宇宙誕生 見つめる目 アルマ望遠鏡」

文=National Geographic Staff/訳=三枝小夜子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加