宇宙最大のブラックホールをもつ銀河を撮影

太陽の210億倍、ハッブル宇宙望遠鏡で

2016.02.23
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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「かみのけ座銀河団」。画像中央の最も明るい天体が楕円銀河NGC 4889で、その中心には超巨大ブラックホールが眠っている。(PHOTOGRAPH BY NASA & ESA)
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 ハッブル宇宙望遠鏡が新たに撮影した美しい銀河団の画像から、ブラックホールの謎を解く手がかりが得られるかもしれない。(参考記事:「ハッブル宇宙望遠鏡 50の傑作画像」

 その天体は、地球から3億光年離れた「かみのけ座銀河団」でひときわ明るく輝く巨大楕円銀河NGC 4889。この銀河の中心に、太陽の210億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが眠っている。(参考記事:「太陽の120億倍、説明不能なブラックホール発見」

 ブラックホールの大きさは、その「事象の地平線」の大きさによって表すことができる。事象の地平線とは、あらゆるものがブラックホールの重力から逃れられなくなる境界だ。NASAによると、NGC 4889の超大質量ブラックホールの事象の地平線の直径は約1300億kmもあり、海王星の公転軌道の直径の15倍にのぼる。われわれの銀河系(天の川銀河)の中心にも巨大なブラックホールがあるが、その質量は太陽の約400万倍、事象の地平線の大きさは水星の公転軌道の直径の5分の1と、だいぶ小さい。(参考記事:「星を食らうブラックホール」

 NGC 4889の中心にあるブラックホールは、これまでに見つかっているブラックホールの中では最大だが、現在は眠りについている。ブラックホールの周縁部も安定していて、新しい星々が形成されているほどだ。

 しかし、このブラックホールが活動していた時代には、ガスや塵を激しく引き込んで数百万度まで加熱し、膨大な量のエネルギーを放出していた。このような活動は今は止まっているが、いつの日か再開するかもしれない。

 ブラックホールは途方もない重力によって光までのみ込んでしまうため、私たちは直接見ることができない。けれども天文学者たちは、周囲の恒星やガス雲などへの影響を通じてブラックホールを発見し、その質量を推定することができる。ハッブル宇宙望遠鏡が今回撮影したような画像を詳しく調べることで、宇宙の秘密を解き明かすことができるのだ。(参考記事:「21年後に巨大ブラックホールが衝突へ」

文=Brian Clark Howard/訳=三枝小夜子

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