めずらしい大気現象ファイヤー・レインボー出現

六角の氷晶がもたらす「虹」

2015.08.26
  • このエントリーをはてなブックマークに追加



米国サウスカロライナ州の空に出現した環水平アーク

 先週、カラフルな「ファイヤー・レインボー」が米国サウスカロライナ州の空を彩った。直訳すれば「炎の虹」だが、火とは無関係で、大気中の氷の結晶(氷晶)により太陽光が屈折することで生じる大気光学現象だ。

 この現象は正式には「環水平アーク」と呼ばれ、太陽光が巻雲の中を通るときに生じる。巻雲は高いところにできる薄いすじ状の雲で、六角板状の氷晶からできている。写真の環水平アークは、8月17日にサウスカロライナ州の空に1時間にわたって見られたもので、インスタグラムに投稿された。

 環水平アークは、太陽高度が58°以上と非常に高いときにしか見られない。さらに、巻雲を作る六角板状の氷晶は、六角形の底面が地面に平行になるような向きで大気中に漂っている必要がある。

 この氷晶の側面から光が入射し、底面から出射すると、プリズムを通ったときのように屈折して分光される。巻雲を作る氷晶がちょうどよい向きに並んでいると、その部分の全体が七色に輝くことになる。

 環水平アークによく似たものとして、雷雨の後に積雲がカラフルに彩られる「彩雲」がある。積雲は、地表付近で暖められた空気が急激に上昇し、気圧の低い上空で膨張して温度が下がり、空気中の水蒸気が凝結することによってできる。この水滴により太陽光が回折すると、雲が美しい色に見えるのだ。

参考記事:
「4重にかかる虹、実は2つの2重虹だった」
「フォトギャラリー:グリーンランド上空の光の環」
「氷晶が生み出す、光のダイヤモンド」

文=Brian Clark Howard/訳=三枝小夜子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加