【動画】鼻にストローが刺さったウミガメを救助

南米コスタリカ沖で研究者が発見

2015.08.20
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調査チームのメンバーがオリーブヒメウミガメの鼻腔からストローを引っ張り出す。【閲覧注意:流血と乱暴な言葉が含まれます】

 オリーブヒメウミガメの鼻からプラスチック製のストローを10分近くかけて研究者らが引っ張り出す、胸を突き刺すような動画がネットで話題を集めている。

「(最初は)寄生虫ではないかと思いました」と語るのは、コスタリカの沖合でカメを助けたクリスティーン・フィグナー氏だ。

 米テキサスA&M大学でカメを研究している彼女のチームは、ウミガメの交尾に関するデータを収集している最中、体重35キロほどのオスの鼻に何かが詰まっていることに気が付いた。

 ペンチを使って鼻孔からその物体を数センチ引っ張り出し、端を切り取って確認してみると、それはクシャクシャに潰れて茶色くなったストローだった。

 ウミガメの脳に取りついた寄生虫ではなかったことが確かめられたため、彼らは鼻に詰まった10センチほどのストローをすべて抜き取ってしまうことにした。

 その場でストローを抜いてしまった方がいいと判断したのは、獣医に連れて行くまでには何時間もかかるし、また連れて行ったところで、獣医がウミガメの扱い方を知っているという保証もなかったためだ。

「あんなものがウミガメの中から出てくるなんて、とても信じられませんでした」とフィグナー氏は言う。

プラスチックだらけの海

 フィグナー氏は何年も前からプラスチック製ストローに反対する運動を行っているが、ストローがウミガメの鼻の穴に詰まってしまうとは考えたこともなかったそうだ。鼻腔の奥までストローが貫通したウミガメは、いかにも呼吸がしにくそうに見えた。

 フィグナー氏によると、ビニール袋や歯ブラシなどがウミガメのおなかの中から見つかることは珍しくなく、釣り針が口や手足に刺さっていることも多いという。(参考記事:「ウミガメの危機:混獲を防ぐ漁法」

 ストローがどうやってカメの鼻腔に入り込んだのかは定かではないが、おそらくは何かの拍子にストローを飲み込んだときに喉につまり、吐き戻そうとして失敗したのではと考えられる。

 ヒメウミガメは海底にいる甲殻類を捕食するため、獲物と一緒にストローを吸い込んでしまったのかもしれない。

 カメの食道と気道はつながっている。人間も同様で、飲み込んだものが鼻の穴から出てくることがあるのはそのためだ。カメが吐き出そうとしたストローが偶然気道に入り込み、鼻腔に詰まる可能性はある。

 調査チームはカメの鼻を消毒し、元気そうにしていることを確認してから、海に放してやった。

 フィグナー氏は、ストローは無駄なもので、最後は海に捨てられて漂う5兆2500億個ものゴミをさらに増やすだけだと主張する。(参考記事:「海洋ゴミ、最も効果的な対策は?」 「海ゴミの出所を特定、1位は中国」

 ストローがなくとも飲みものを飲むことはできるし、「この動画を見てもらえば、ストローが最終的にどこに行き着くのかを、広く知ってもらうことができるでしょう」と彼女は言う。(参考記事:「DVDケースがクジラを殺した」

文=Jane J. Lee/訳=北村京子

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