絶滅危惧サルを40年ぶり確認、初めて写真に

アフリカ中部、コンゴ共和国の国立公園で

2015.04.22
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コンゴ共和国の国立公園で初めて撮影されたブービエアカコロブスの親子。同種は、絶滅危惧IA類に指定されている。(PHOTOGRAPH BY LIEVEN DEVREESE AND GAËL ELIE GNONDO GOBOLO)
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 ブービエアカコロブス(学名:Piliocolobus bouvieri)と呼ばれるサルが、初めて写真に収められた。

 1970年代に最後に目撃されてから見かけた者がいないため絶滅が心配されていたが、2015年2月、リーヴェン・デヴレーゼ氏とガル・エリー・グノンド・ゴボロ氏の2人の研究者がこのサルを発見、写真に収めた。発見場所はアフリカ中部、コンゴ共和国のントコウ-ピコウンダ国立公園。2013年に野生生物保護学会の支援で設立された、約4570平方kmの公園だ。

 母子の姿が写っているこの写真により、珍しいこのサルが現存することが科学的に確認された。ブービエアカコロブスは1887年の文献に初めて記載されるが、情報がきわめて少なく、絶滅危惧IA類に分類されている。

地元住民は知っていた

 一方で、デヴレーゼ氏によると、このサルの存在は地元住民にはよく知られていたと言う。彼は今回の調査のためにクラウドファンディングによって資金を調達、地元のガイドと一緒にこのサルを探索するのにベストな地域を見つけた。「地元の人たちがこのサルを知っているのは最初から明らかでした。科学者が何十年も見つけられなかった理由は、単純に誰も探していなかったから。なので、ブービエアカコロブス探索に失敗はしたくありませんでした」

 これまでも探索を熱望する声はあったが、コンゴの地形は沼や川が多く、非常に入り組んでいるため、調査が困難だった。「あのエリアはアクセスが難しく、川を経由してしか入れません。それに、あそこで活動しているNGOはひとつも知りません」

サルをいかに守っていくか

 カナダのマギル大学でナショナル ジオグラフィックの支援を受けて人類学を研究する博士研究員のヴァレリー・ショーフ氏は、「絶滅したと考えられていた種がそうではなかったことを証明する写真を見ると、いつも勇気づけられます」と述べている。

 ブービエアカコロブスが生息する複雑な地形は、このサルを人の脅威から守る一方で、科学者にとって研究が困難という意味で、諸刃の剣であるとショーフ氏は言う。「ブービエアカコロブスが好むと考えられる川や沼地のせいで、科学者による調査が難しくなっています。その一方で、この生息環境のおかげで、野生動物を狩猟したり、木を伐採して森林資源を奪おうとする人間の営みが食い止められているのです」とショーフ氏。

 デヴレーゼ氏は、この写真によって、資金不足に陥っている同種の生息する公園に、必要な支援が集まることを望んでいる。「この発見によって、同公園に注目が集まることを期待します。どこかの国際NGOがコンゴの公園スタッフと一緒に取り組んでくれるといいのですが」

文=Stefan Sirucek/訳=堀込泰三

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