ドローンで空撮、巨大洞窟の鳥肌ものの地下世界

人がまるで人形みたいに見える、壮大で神秘的で不思議な映像

2015.04.17
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ベトナムのソンドン洞窟を、ドローンを使って撮影した動画。洞窟内部を空中から捉えた映像は、息を呑むほど美しい。(Ryan Deboodt)

 ベトナム最大のソンドン洞窟は、超大型旅客機ボーイング747がすっぽり入るほどの広さを誇る。「自分がいかにちっぽけな存在かを実感しますよ」と語るのは、最近ネット上で話題となっているこの動画を撮影した写真家、ライアン・デブート氏だ。デブート氏は世界でも最大級のこの洞窟の中で8日間を過ごし、小型のビデオカメラを装着したドローン(無人航空機)を使って撮影を行った(関連書籍:『ナショジオが行ってみた 究極の洞窟』の写真はこちら(ソンドン洞窟の構造のイラストも))。

『ナショジオが行ってみた 究極の洞窟』
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ナショナル ジオグラフィック編
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 2009年に初めて探索されたソンドン洞窟は、ベトナム中部のフォンニャ・ケバン国立公園に位置している。デブート氏の撮影した動画では、広いところでは幅150メートル、高さ200メートルもあるこの広大な洞窟の中空を、ゆったりと飛んで行く映像を楽しめる。

『ナショナル ジオグラフィック』編集部は北京に住むデブート氏に電話インタビューを行った。

――この動画では、洞窟の桁外れの大きさが実にうまく表現されていますね。秘訣はなんですか?

 画面の中に人間を入れるようにしたことです。人の姿がないと、大きさの手がかりがありません。人間がずっと下の方に見えるように映すのです。ほとんど見えないほど小さくなってしまうこともありますが、ふと人間の姿に気づいたときには、洞窟の大きさが一層引き立ちます。「おい、あそこにすごく小さい人間がいるぞ」と思うわけです。

――撮影には「クワッドコプター」を使ったそうですが、これは具体的にはどういったものですか。

 クワッドコプターは4つの回転翼を持つヘリコプターで、遠隔操作で飛ばします。機体の下部に「GoPro」というビデオカメラを装着しました。

――うまく操縦するには、相当な練習が必要ですか。

 洞窟の中ではGPSが使えませんから、マニュアルモードで飛ばすことになりますし、何かにぶつかったりしないように気を付けるのは一苦労です(笑)。かなり強い風にあおられることもありますね。洞窟内に雲ができていると、風が強くて雲の中を吹き抜ける様子がわかります。

――洞窟の中にはどんな生物がいるのですか。

 天井から漏れる光で、クモ、鳥、いろいろな虫やヘビが見えます。暗いところには魚の他、半透明のダンゴムシもいます。これは常に暗闇の中にいるので、色素を持たないように進化したものです。

 木は背が高く、非常にほっそりとしています。光を目指して伸びるからでしょう。あまり太くはならず、ひたすら上へ上へと伸びていきます。

――洞窟は国立公園内にありますが、的確な保護対策が講じられているのでしょうか。

 公園の一部地域では、今でも森林伐採が行われていますし、農業をしながら暮らしているブル・ヴァンキエウ族 (公園内に住む少数民族)もいます。しかし私は保護を徹底すべきだと考えています。今回の動画を撮影したのは、ひとつにはその件について訴えたかったからです。洞窟の美しさを見てもらい、保護すべきだと広く知ってほしかったのです。

――これまでに多くの洞窟写真を撮影されていますが、洞窟の魅力とは何でしょうか。

 洞窟はまだ誰にも踏破されていない場所のひとつです。そういう場所を探検すること、誰も行ったことのない場所に立つこと、誰も見たことのないものを見ること。私はそこに惹かれるのです。

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文=Ralph Martins/訳=北村京子

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