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日本の百年

- OCTOBER 2017 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

市場を目指して牛乳を運ぶ牛

 牛車の荷台にびっしり積まれているのは、牛乳の輸送缶。「成長著しい本州では、牛はミルクを出すだけでなく、市場へ運ぶ役目も果たす」という説明とともに、1947(昭和22)年4月号に掲載された。占領下の日本の農村地帯を取材した特集の一枚で、千葉県の館山で撮影されたと思われる。


 館山に近い南房総市には、「日本酪農発祥之地」と刻まれた記念碑がある。江戸時代の18世紀、この地にあった幕府直轄の牧場「嶺岡牧」に外国産の白牛が導入され、その乳で「白牛酪(はくぎゅうらく)」と呼ばれる乳製品が製造されたことが、日本酪農の始まりだという。


 終戦直後の1946年には、生乳の国内生産量が戦時中の半分にも満たない約15万トンにまで落ち込み、牛乳の入手は困難を極めた。「都市部の富裕層だけが乳製品を利用している」と写真の説明にも書かれている。そんな食糧難の時代には、外国から寄贈された脱脂粉乳が学校給食を支えた。


 高度成長期に入ると、生乳の生産量は一気に増え、今では全国で700万トンを超えるまでになった。千葉県は東京に近いという地の利を生かし、国内有数の生産量を誇っている。


写真=HAROLD LINDNER

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