フラッシュバック

日本の百年

- MAY 2017 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

馬を使ってサトウキビ搾り

 サトウキビの収穫期に、瓦屋根の小屋の前で何やら作業が行われている。小柄な馬たちが動かしているのは、沖縄で「サーター(砂糖)車」と呼ばれるサトウキビの圧搾装置だ。馬や牛の力で心棒を回し、3連のローラーでサトウキビをつぶしていく。おけにたまった搾り汁は、奥の小屋へと運ばれる。「大きな鍋で煮詰めたものは、日本本土の製糖工場へ送られて精製される。砂糖は琉球諸島の重要な収入源となっている」という説明とともに、1945年5月号に掲載された。


 サーター車をはじめとする砂糖の生産技術は、17世紀に中国の福建省から沖縄へ導入された。それ以前は、細かく刻んだサトウキビを臼と杵(きね)でつぶし、布で包んで搾っていたという。


 昔の沖縄では、冬から春にかけて、家族総出でサトウキビを刈り束ね、馬や牛を追いながらサーター車で汁を搾る光景があちこちで見られた。お盆にはお供え物としてサトウキビの束が仏壇の脇に飾られ、黒糖は子どものお駄賃やお茶請けの定番だった。だが近年では、サトウキビの栽培面積が著しく減少し、沖縄の砂糖づくりは厳しい局面を迎えている。


※この記事は、ナショナル ジオグラフィック2017年5月号(amazon)に掲載されました。

写真=BOARD OF MISSIONS AND CHURCH EXTENSION OF THE METHODIST CHURCH/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE

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