世界に先駆けて育児休業制度を充実させてきたスウェーデン。制度を利用し育児に取り組む「育休パパ」たちを訪ねた。

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スウェーデン パパたちの育休

世界に先駆けて育児休業制度を充実させてきたスウェーデン。制度を利用し育児に取り組む「育休パパ」たちを訪ねた。

文=パトリシア・エドモンズ/写真=ユアン・バウフマン

 スウェーデンの写真家ユアン・バウフマンは、息子の誕生をきっかけに、ある撮影プロジェクトをスタートさせた。テーマは、同国の充実した育児休業制度を利用して、職場を離れて子どもたちの世話をする父親たちだ。

 手当金が支払われる産前産後の休業制度は世界中で一般的になっていて、経済協力開発機構に加盟する35カ国のうち、34カ国で実施されている(唯一の例外は米国)。さらに、父親が育児休業を取る際に給付金を受け取れるのは全加盟国の3分の2ほどで、1974年にスウェーデンが初めて導入した。そのスウェーデンでも、母親と同等の日数を取得する父親はわずか14%ほどしかいないという。

 カロリン・イルストロムは初産で双子を生んだが、早産で生まれてきた赤ん坊たちは、自力で母乳を飲めなかった。生後まもなく、バウフマンが撮影に訪ねると、父親のサマドが双子を自分の胸の上に寝かせて温めながら、調合乳を与えていた。建設技師の彼は、生後4カ月まではカロリンと一緒に育児休業を取り、その後の半年間は自分だけ家に残って双子の面倒を見た。

 これまでに撮影した育児休業中の父親は45人。彼らの姿を通して、ほかの男性たちに休業を取るメリットを理解してもらいたいと、バウフマンは考えている。多くの国の多くの父親たちが、自分の作品を見て、「自分も挑戦してみよう」と思ってくれればというのが、彼の願いだ。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年1月号でどうぞ。

編集者から

 国による育児休業制度が世界で最初に導入されたスウェーデンでも、男性の利用はあまり進んでいないのだということに、まず驚きました。北欧諸国では手厚い福祉制度の下で、男女が積極的に力を合わせて育児や家事を行っているのだろうという、勝手な思い込みがあったからでしょう。しかし、記事に登場する育休パパたちは悪戦苦闘しながらも、充実した時間を過ごしているように見えます。もっと多くのパパたちが育休制度を利用して、子どもにとっても親にとっても、二度とない大切な時間を共有してほしい。そんな写真家の願いが伝わってくるようで、心がほんわかとしました。(S.O.)

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