特集ダイジェスト

サメのなかで最速といわれるアオザメ。人間の飽くなき欲望から逃げきれるだろうか?

 20世紀初頭の作家ゼイン・グレイは、海釣りでアオザメと格闘した体験を記している。「やつは恐ろしい戦いを挑んできた」。船に引き上げて、グレイはサメの体つきに驚嘆した。流線形で筋肉質、頭の形はまるで銃弾だ。

 だが、このときの船長の相手はさらに大物で、伝説に残るほどの戦いだった。長い死闘の末に、サメは釣り糸をかみ切り、逃げた。船長はグレイに言った。「あれほど凶暴で力の強いけだものは見たことがない。そんなのが針にかかるとは!」

 それから1世紀ほどが過ぎた現在も、アオザメは手ごわい相手として釣り人たちから高く評価されている。アオザメは、スポーツフィッシングの愛好家たちから執拗に狙われたり、はえ縄漁で頻繁に混獲されたりしてきた。メカジキにも負けないほど上質な肉と、スープの材料としてアジアで珍重される鰭のために、アオザメは相当に苦しい状況に追い込まれているのだ。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年9月号(amazon)でどうぞ。

編集者から

 ベテラン水中写真家のブライアン・スケリーが世界各地でアオザメを追いかけました。オープニングの写真には、思わず後ろにのけぞってしまうほどの迫力があります。サメ類屈指のスイマーだというアオザメが、私たち人間の欲求の餌食になっているのをはじめて知りました。記事そのものは米国東海岸が舞台ですが、分布海域の広さを考えると、フカヒレ目当ての漁や混獲の問題は世界のほかの海でも見られるのだと思います。人間の欲求が多くの生き物を追い詰めているんです。(S.O.)

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ブライアン・スケリー
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