カリブ海の島国ハイチに暮らす人々の多くは、薬が必要になると、街角の露天商から手に入れる。違法だが、身近で頼りになる存在でもあるようだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ハイチ カラフルな薬売り

カリブ海の島国ハイチに暮らす人々の多くは、薬が必要になると、街角の露天商から手に入れる。違法だが、身近で頼りになる存在でもあるようだ。

文=アルノー・ロベール
写真=パオロ・ウッズ、ガブリエレ・ガリンベルティ

「ピンクの抗生剤の横に、青色の鎮痛剤を並べて・・・。ほら、こうすると見栄えが良くなるだろう。人目を引かないと、誰も何も買ってくれないのさ」

 そう言いながら、アリスティル・ボノーは右肩に担いだバケツに手をやった。色とりどりの薬を並べた“塔”がそびえ立っている。薬は落ちないようにゴムバンドで固定されていて、その頂上には薬を切り分けるためのはさみが差し込まれている。

 薬の塔を担いで、ボノーは20年以上もハイチの首都ポルトープランスの街角を行き来している。だが彼は薬剤師ではない。薬の露天商だ。

 ある日、ボノーのような薬売りたちが、市内にある小さな部屋に列をつくった。写真家のパオロ・ウッズとガブリエレ・ガリンベルティの呼びかけに応じて、ポートレートを撮ってもらうために集まったのだ。ウッズとガリンベルティは20カ国以上で医療に関する取材を続けていて、ハイチの薬売りにも興味を抱いていた。

 二人の写真家によれば、多くの人が街角の薬売りから薬を入手しているという。免許をもつ薬剤師もいるにはいるが、露天商たちに押されて「もはや絶滅寸前だ」と、医薬品の輸入を手がけるリオネル・エティエンヌは話す。「ハイチでは、薬も食品や雑貨などの商品と何ら変わらない存在なんです」

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年6月号(amazon)でどうぞ。

編集者から

 パオロ・ウッズとガブリエレ・ガリンベルティの写真を見た第一印象は、「ポップで陽気なカリブの人々」といったものでした。一緒に写る「オブジェ」もカラフルで、ユニーク。でも、よく見てみると、写真の中の人物の表情はそれほど明るくはない。二人の写真家が伝えたかったのは、薬を手に入れるのも容易ではないハイチの現実でした。見た目のポップさと厳しい現実。その対比が見た人の興味を引くんでしょうね。(S.O.)

この号の目次へ

最新号

DVDセール

定期購読

ナショジオクイズ

コブダイの不思議な生態といえば?

  • いろいろな魚に擬態できる
  • 海底を歩くことができる
  • 雌が雄に性転換する

答えを見る

ナショジオとつながる

メールマガジン無料登録(週2回配信)

メルマガ登録の詳細はこちら

ナショナル ジオグラフィック日本版 バックナンバー