偽ニュース、詐欺、政治家の嘘……。正直は一生の宝といわれるが、科学の目で見れば、嘘をつく行為自体は人間にとって異常なことではない。人がだまし合う理由を探る。

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なぜ人は嘘をつく?

偽ニュース、詐欺、政治家の嘘……。正直は一生の宝といわれるが、科学の目で見れば、嘘をつく行為自体は人間にとって異常なことではない。人がだまし合う理由を探る。

文=ユディジット・バタチャルジー/写真=ダン・ウィンターズ

 1989年秋、米国の名門プリンストン大学が迎えた新入生のなかに、驚くべき経歴の持ち主がいた。その名はアレクシー・サンタナ。彼の生い立ちに入学審査を担当した委員たちは強い感銘を受けた。

 本人の話では、彼は正規の学校教育をほとんど受けていなかった。10代の半ばにはほぼ自立して、牛や羊の世話をしながら野外生活をし、哲学書を読みふけった。砂漠を走って体力をつけたおかげで、長距離走も得意だという。

 そんな特異な過去をもつサンタナは、たちまち学生たちの尊敬を集めた。成績は全科目とも最高の評価だったが、本人はいたって控えめで、それがまた謎めいた魅力になった。

 しかし、彼の経歴はすべて嘘だった。本名はジェームズ・ホーグ、年齢は31歳、盗まれた自転車部品と工具を所持していた罪でユタ州の刑務所に入っていた過去をもつ。結局、彼は手錠をはめられて、大学を後にすることになった。

 人間は上手に嘘をつく一方で、他人の嘘を見抜くことは苦手だ。とはいえ、嘘をつくことは人間の本性の切り離し難い一部であり、とても人間らしい行為だと言っても、あながち嘘ではない。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年6月号(amazon)でどうぞ。

編集者から

 映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』でレオナルド・ディカプリオ演じる主人公のモデルになった天才詐欺師をはじめ、絵画偽造のプロ、元秘密工作員、でっち上げた画像や動画をインターネットに流す謎のアーティスト、そして、虚偽の発言をした米国の大統領たち。よくもまあ、こんなに多くの「嘘つき」を集めたものだと思います。本誌には世界の嘘つきについての「小ネタ」もたくさん載っていて、それを読むだけでもおもしろいですよ。(T.F.)

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