「ムーア」と呼ばれる荒れ野は、英国スコットランドを象徴する景観だ。社会階級や文化、自然のあり方をめぐる論争の渦中で、その未来は混沌としている。

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スコットランド 荒れ野の未来

「ムーア」と呼ばれる荒れ野は、英国スコットランドを象徴する景観だ。社会階級や文化、自然のあり方をめぐる論争の渦中で、その未来は混沌としている。

文=キャシー・ニューマン/写真=ジム・リチャードソン

 スコットランドの観光パンフレットにほぼ必ず登場し、小説『嵐が丘』や映画『ブレイブハート』の舞台にもなった「ムーア」と呼ばれる荒れ野が、岐路に立っている。

 2016年春、新しい土地改革法が英国のスコットランド議会を通過した。この法律により、「エステート」と呼ばれる広大な地所を所有し、維持していくことは、今後はますます困難になりそうだ。スコットランドでのこうした動きの背景には、長年にわたる階級間の対立と、ムーアの今後のあり方をめぐる論争がある。

 土地改革の専門家アンディ・ワイツマンによれば、民有地となっているスコットランドの田園地域の約半分を、わずか432人が所有しているという(所有者には団体や法人も含まれる)。ムーアの多くはライチョウ狩りの猟場として管理されているが、もっと有効な活用法があるはずだと主張する人々もいる。

 スコットランドを象徴する景観と、その未来を取材した。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年5月号(amazon)でどうぞ。

編集者から

 英国の荒れ野「ムーア」が登場する文学作品といえば、特集にも出てくる『嵐が丘』が有名ですが、個人的にまず思い出したのはバーネットの『秘密の花園』でした。インドで両親を亡くし、英国の遠い親戚に引き取られた少女メアリーが孤独な心を少しずつ開き、喜びを見つけていく物語の舞台として、ムーアがとても効果的に描かれています(ただし、こちらはヨークシャーのムーアのようですが)。
 食の世界では、雷鳥や野ウサギといったジビエの産地として知られるスコットランドですが、今回の特集では、その舞台裏を垣間見ることもできます。なかでも雷鳥狩りには賛否両論があるようで、食いしん坊としてはその行く末が心配です…。(H.I.)

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