沿岸の国々の主張が重なり合う南シナ海。領有権争いで乱獲に拍車がかかり、世界屈指の豊かな漁場が崩壊の危機に直面している。

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南シナ海 枯渇する水産資源

沿岸の国々の主張が重なり合う南シナ海。領有権争いで乱獲に拍車がかかり、世界屈指の豊かな漁場が崩壊の危機に直面している。

文=レイチェル・ベイル/写真=アダム・ディーン

 面積約350万平方キロの南シナ海は、経済的にも軍事的にも生態学的にも極めて重要だ。年間5兆3000億ドル(約600兆円)ほどの国際貿易が、この海を介してやり取りされる。沿岸の10の国と地域に住む人々にとって、世界屈指の生物多様性を誇る豊かなこの海は、食料や仕事を得るうえで必要不可欠なのだ。

領有権を争う7つの国と地域

 南シナ海の領有権を争っているのは、インドネシア、台湾、中国、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシアという7つの国と地域だ。軍事衝突が勃発することになれば、東西の大国、すなわち中国と、フィリピンの長年の同盟国である米国が乗り出してくるだろう。だからこそ、この争いが世界的に注目されている。

 それに比べれば注目度は低いものの、乱獲というもう一つの脅威も深刻だ。南シナ海は世界的にも重要な漁場の一つであり、370万人以上の雇用のほか、年間何千億円という金を生み出している。だが長年、魚の乱獲を放置してきたために、水産資源は減少の一途をたどっている。漁業を頼りに急速に発展してきた国々の食料安全保障と経済成長が脅かされているのだ。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年3月号でどうぞ。

編集者から

 南シナ海といえば、領有権争いが注目されがちですが、その影で水産資源が急速に減っていることはあまり注目されません。陸地の環境破壊などとは違って、海の中の変化は目に見えにくいからでもあるのでしょう。目に見えない問題を想像する力を養わなければと、改めて感じました。(T.F.)

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