かつて北の海で活躍したバイキング。女性リーダーの遺体や美しい装飾品、幅広い交易の証拠など、“野蛮な海賊”のイメージを覆す発見が相次いでいる。

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バイキング 大海の覇者の素顔

かつて北の海で活躍したバイキング。女性リーダーの遺体や美しい装飾品、幅広い交易の証拠など、“野蛮な海賊”のイメージを覆す発見が相次いでいる。

文=ヘザー・プリングル
写真=ロバート・クラーク、デビッド・グッテンフェルダー

 何世紀も前に死に絶えた海の戦士たちは、今も想像力をかき立て、映画や小説、漫画の世界で生き生きと活躍している。だが、本物のバイキングについて、私たちはどれだけ知っているだろうか。

 最新の研究を通じて、豪快な航海者たちの野望と、彼らが与えた文化的な影響が徐々に明らかになってきた。8世紀半ば、財宝を求めてスカンディナビア半島から出航したバイキングは、300年にわたってヨーロッパ各地へ進出し、これまで考えられていたより広い範囲へと遠征。流線形の帆船と、海路や水路に関する詳しい知識を誇る彼らは、アフガニスタンからカナダまで、現在の37カ国余りに及ぶ地域を訪れたと、スウェーデンのウプサラ大学の考古学者ニール・プライスは話す。数多くの文化に触れ、活発に交易を行った彼らは、中国製の絹をまとい、イスラム圏の銀貨を大量に入手。イングランドのヨークとロシアのキエフに都市を建設し、英国、アイスランド、フランスで多くの地域を占領、グリーンランドと北米にも拠点を築いた。

ヨーロッパを震え上がらせた蛮行

 もちろん彼らは、探検と交易だけで富を手にしたわけではない。バイキングは英国とヨーロッパ大陸の沿岸部に急襲をかけ、暴虐の限りを尽くした。フランス北部では、セーヌ川などの川を航行して略奪を繰り返し、その蛮行は人々を震え上がらせた。

 血なまぐさいバイキングの時代は「気の弱い人には向かない」と、プライスは言う。それにしても、こうした蛮行が始まったきっかけは何だろう。中世スカンディナビアの農民だったはずの彼らが、なぜヨーロッパ大陸を恐怖に陥れたのだろうか。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年3月号でどうぞ。

編集者から

 今月の付録としてお届けする特製ポスターの制作裏話をご紹介しましょう。担当したのはシニア・グラフィック・エディターのフェルナンド・ゴメス=バプティスタ。制作期間は2カ月半に及び、毎日遅くまでオフィスに残って週末も仕事に費やしたのだそう。外国人には珍しいワーカホリックぶりですが、それもそのはず、彼は知る人ぞ知る“バイキング・マニア”だったのです!
 自宅にはバイキング関連の蔵書や自作の船の模型がずらり。3年前の休暇には、デンマークのバイキング博物館に出かけ、4時間も船に見入っていたのだとか。気の毒なのは、それにつき合わされた奥様。見に行こうと誘われて「いや、私はあまり興味ないんだけど…」と答えたにもかかわらず、なぜこんな極寒の、霧が立ち込める日にバスに乗ってお出かけしなきゃならないの、と、頭にきたとかこないとか。フェルナンドにとっては、これぞ「男のロマン」というところなのかもしれません。でも、特集に登場した「並み居る男たちを率いた女性戦士」の研究がもっと進めば、バイキングは近い将来、「女のロマン」にもなるのかもしれませんよ。(H.O.)

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