ライオンやトラといった大型のネコ科動物の陰に隠れて、あまり注目されない小型の野生ネコたち。その多くの種が、絶滅の危機にさらされている。

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ひそやかなネコ

ライオンやトラといった大型のネコ科動物の陰に隠れて、あまり注目されない小型の野生ネコたち。その多くの種が、絶滅の危機にさらされている。

文=クリスティン・デラモア/写真=ジョエル・サートレイ

 ヤマネコやマヌルネコ、スナドリネコといった小型の野生ネコは、驚異的な適応力を発揮して、砂漠や雨林、都市の公園など、さまざまな環境で生きている。だが残念ながら、これらの小型種はライオンやトラ、ヒョウといった大型のネコ科動物の陰に隠れてきたといえる。有名な大型種には注目も保護資金も集まりやすいが、実際のところ、絶滅が最も心配されているネコ科の18種のうち、12種が小型種だ。

研究も保護も大型ネコが優先

 米国テキサス州を拠点とする動物保護団体「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション」の、小型ネコ科動物の専門家ジム・サンダーソンの推計では、2009年以降に野生ネコのために使われた資金の99%以上が、ジャガーやトラといった大型種向けだった。小型種に関する研究は、ほとんど行われていないのが実情だ。

 もう一つ、小型の野生ネコが損をしている点は、「わが家のペットの猫の野生版」ぐらいにしか思われていないことだ。ドイツのケルン動物園で学芸員を務めるアレクサンダー・スリワによると、一般の人たちは、見たことのないような珍しい動物には畏敬の念を抱くが、小さな野生ネコにはそうした気持ちをもちにくいという。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年2月号でどうぞ。

編集者から

 ジョエル・サートレイの写真はいつ見ても素敵です。動物のファッション誌を見ているような気分になります。ただ、そこに写っている動物たちが置かれた状況は決して華やかでも穏やかでもないようです。記事では、スペインオオヤマネコを取り上げて、生息数が減少している厳しい現実と、その流れを変えようとする人々の取り組みを紹介しています。ライオンやトラなど、ネコ界のスーパースターたちの陰に隠れて、なかなか光が当たらない小さな野生ネコたちも、救いの手を必要としています。(S.O.)

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