フラッシュバック

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世界の百年

- JULY 2016 -

羽目を外せないビーチ

 ここは、米国ニュージャージー州の大西洋に面した海辺。南北戦争中に北軍にブラシを売ってひと財産を築いたジェームズ・A・ブラッドリーが、1871年に開発した保養地「アズベリー・パーク」の一角だ。ブラッドリーは、キリスト教のなかでも規律を重んじるメソジスト教徒だった。彼の道徳規範に基づき、保養地内では飲酒が禁じられ、家庭を中心に置いた伝統的な価値感や品位が重視された。ルーペで見てみると「ビーチでは許可された服装で」という看板が立っている。


 仕事や勉強、金もうけに固執し、心を病んだ人々にとって、海辺の環境は「精神を落ち着かせる万能薬」であると、ブラッドリーは考えていた。彼が死んでから8年後、1929年の夏に撮られたこの写真には、ブラッドリーの助言に従って上品に休暇を楽しむ人々の姿が見られる。だが、同年の10月には株式市場が大暴落し、世界大恐慌が勃発。金の力を妄信してきた人々は、もはや太陽の下で1日過ごすぐらいでは癒やされない時代へと突入した。


――イブ・コナント

写真=CLIFTON ADAMS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE

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