米国の穀倉地帯を支える「オガララ帯水層」の地下水が枯渇しつつある。国内はもとより、世界の食料供給への影響が懸念され始めた。対策はあるのか?

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地下水が枯れる日

米国の穀倉地帯を支える「オガララ帯水層」の地下水が枯渇しつつある。国内はもとより、世界の食料供給への影響が懸念され始めた。対策はあるのか?

文=ローラ・パーカー/写真=ランディ・オルソン

 乾燥した米国中部で近代的な生活が送れるのは、膨大な量の地下水を含んだ地層「オガララ帯水層」があるおかげだ。そのオガララの水を調査するため、私たちはここカンザス州へやって来た。井戸に下ろした巻き尺の先端は、深さ60メートルでようやく水面に達した。1年前に測ったときより30センチも低い。このペースで水が減れば、井戸が枯れるのも時間の問題だ。「この状態で灌漑に使えば、ひと夏もちません」。米カンザス地質調査所で水資源データの管理責任者を務めるブライアン・ウィルソンは言った。

農業地帯を支える水

 オガララ帯水層をめぐるウィルソンの調査に同行し、8000キロを旅した。私たちが車で走ったのは、サウスダコタ州からテキサス州にかけて広がる、米国有数の高い生産性を誇る農業地帯の一角だ。一帯の年間生産額は少なくとも200億ドル(約2兆円)に達し、米国内の小麦、トウモロコシ、肉牛の5分の1近くがここで育てられている。

 そうした農家は今、難しい選択を迫られている。水を節約して地下水の枯渇を遅らせるか、目前に迫った終焉に向かってこのまま突っ走るのか。なかには現実を直視したがらない農家もある。今の調子で水をくみ続け、帯水層が干上がってしまったら、世界の食料市場は大打撃を受けるだろう。国連の試算によれば、21世紀半ばまでに世界の人口は90億人を超えるため、あと数十年で食料生産を6割増やす必要があるという。そんな世界情勢を尻目に、水はゆっくりと枯れつつある。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年8月号でどうぞ。

編集者から

 センターピボット式スプリンクラーを使った円形の畑は、まるでミステリーサークルのよう。衛星写真でその形がわかるというので、試しにグーグル・アースでサウジアラビア上空を飛んでみました。ゴマ粒のような点々の塊へグググッと近寄ってみると、くっきりと緑の丸が並んでいるではありませんか! この特集の舞台となった、オガララ帯水層のある米国の土地にも桁違いの数の畑が広がっていますが、サウジアラビアの何もない砂漠と緑のコントラストは、それ以上の衝撃。もう地下水が枯渇しているようなので、この光景は今後見られなくなるかもしれません。今のうちにちょっとのぞいてみてはいかがでしょうか?(H.O.)

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