中国は、ジャイアントパンダを飼育下で繁殖させることに成功し、順調にその数を増やしている。次の挑戦は生息地を保全し、パンダを野生に戻すことだ。

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自然と人間 パンダを野生の森へ

中国は、ジャイアントパンダを飼育下で繁殖させることに成功し、順調にその数を増やしている。次の挑戦は生息地を保全し、パンダを野生に戻すことだ。

文=ジェニファー・S・ホーランド/写真=エイミー・ビターリ

 ジャイアントパンダは世界中で人気を集め、外貨を稼ぎ、中国文化の代名詞に、また国の誇りにもなっている。この動物は、野生ではもはや中国にしかいないのだ。最新の調査では、野生のパンダは1864頭と報告されている。

 希少なパンダを絶やすまいと、中国は飼育下での繁殖に熱心に取り組んできた。この四半世紀の間に繁殖の技術を磨いてパンダを増やし、2015年には38頭のパンダが誕生。今や数百頭が飼育されるまでになった。

【動画】中国では飼育下でのパンダの繁殖に成功し、かわいい赤ちゃんが続々と誕生している。次の課題は、自力で生きていけるように訓練したパンダを、もともとの生息地である自然の森へ放す、野生復帰への取り組みだ。

野生復帰への挑戦

 四川省の臥龍(ウォロン)自然保護区内に位置する核桃坪(ホータオピン)は、長年パンダ研究の拠点となってきた。ここでは現在、選ばれた子パンダたちが、野生の世界で生きていくための訓練を受けている。パンダを元々のすみかである自然の森に放そうというのだ。

 幼いうちに人間になつかないように、飼育員たちはパンダの尿のにおいをつけた等身大の着ぐるみに身を包んでいる。子パンダは母親とともに暮らしながら、2年にわたって野生復帰の訓練を受ける。野生に戻って生きていくには、人間やほかの動物を警戒する、自力で餌やすみかを見つけられるなど、自然のなかで自立して生きていける能力が欠かせない。だがこうした能力は、どのパンダにも備わっているわけではない。

 2006年以降、5頭のパンダが追跡用の首輪をつけて森に放され、そのうち3頭は今も生きている。だが2頭は死亡が確認され、うち1頭は野生の雄のパンダに襲われたようだ。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年8月号でどうぞ。

編集者から

 子パンダを抱っこしたり、森でアンテナを掲げて首輪からの信号に耳を澄ましたり…。中国でパンダの野生復帰に取り組む飼育員たちが、着ぐるみ姿で奮闘する、ちょっとシュールな光景に思わず目がくぎづけになりました。飼育環境で生まれたパンダたちが、野生に戻って生きていくためには、最初から人間になつかせてはいけないんですね。努力が実って、1頭ずつ成功例が積み重なっていくことを願っています。(H.I.)

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