ジカ熱やデング熱、マラリアなどの感染症を媒介する蚊。地球上で最も危険な生物ともいえるこの虫と、人間はどう戦えばいいのか。

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蚊と人間の終わりなき戦い

ジカ熱やデング熱、マラリアなどの感染症を媒介する蚊。地球上で最も危険な生物ともいえるこの虫と、人間はどう戦えばいいのか。

文=シンシア・ゴーニー

 手のひらでたたき潰す、殺虫剤のスプレーを浴びせる、実験室で放射線を照射したりDNAを操作したりする…。人類があらゆる手段を使って蚊を撲滅しようとしているのは、蚊が恐ろしい病気を媒介することを100年以上も前から知っているからだ。

【図】広がる蚊の生息域
蚊は熱帯地方を中心に数多く生息している。地球温暖化に伴い、その生息域が南北へ拡大すると考えられている。(BY JASON TREAT, RYAN WILLIAMS, AND CHARLES PREPPERNAU, NGM STAFF. SOURCE: YIANNIS PROESTOS, CYPRUS INSTITUTE)
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 最近、特に注目されているのはジカ熱(ジカウイルス感染症)だが、マラリアによる死者だけでも年間40万人を超え、黄熱やデング熱による死者も数えきれない。子どもの親指の爪より小さいこの虫は、昔も今も、人間以外の動物のなかで最も危険な存在となっている。

 にもかかわらず、人間はいまだに蚊を撲滅する究極の方法を編み出せずにいる。これまでに確認されている3500種の蚊のうち、人間の血を吸う「吸血鬼」といえるのは、ジカウイルスを媒介するネッタイシマカ(学名Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)を含めて数百種にすぎない。とりわけネッタイシマカの攻撃力は、尋常ではないことがわかっている。

【図】蚊が媒介する病気
それぞれの病原体は、自分にとって都合の良い特徴を備えた蚊に合わせて適応を重ね、繁栄してきた。(BY JASON TREAT, RYAN WILLIAMS, AND CHARLES PREPPERNAU, NGM STAFF. SOURCES: WORLD HEALTH ORGANIZATION; CENTERS FOR DISEASE CONTROL AND PREVENTION)
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※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年8月号でどうぞ。

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