映画『ジョーズ』の大ヒットで、サメの代名詞ともなったホホジロザメ。凶暴性ばかりが注目されがちだが、その生態はいまだに謎だらけだ。

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海のハンター ホホジロザメ 有名だけど、謎だらけ

映画『ジョーズ』の大ヒットで、サメの代名詞ともなったホホジロザメ。凶暴性ばかりが注目されがちだが、その生態はいまだに謎だらけだ。

文=エリック・バンス/写真=ブライアン・スケリー

【動画】コッド岬沖で、アザラシの模型を追うホホジロザメを、カメラがとらえた。

 地球上には500種を超すサメが存在する。だが、「サメ」と聞いてほとんどの人が思い浮かべるのはただ1種、映画『ジョーズ』の世界的ヒットのおかげでサメの代名詞ともなったホホジロザメだろう。

 大海原で野生のホホジロザメと遭遇したら、あなたの期待はまず裏切られる。一見したところ、数々のテレビ番組で描かれているような「邪悪な野獣」には思えないのだ。横から見ると、体は丸々と太り、口を大きく開けると、下顎から胴体へとぜい肉にぷるぷると震えが伝わっていく。その姿は締まりのない道化者のようだ。

 しかし、道化者がこちらに顔を向けた瞬間、この動物がなぜ、地球上で最も恐れられているのかがわかるだろう。正面から見た頭部は柔らかそうでもなければ、たるんでもいない。矢じりのようにとがった鼻先と黒い両目が、不気味なV字を描く。口元からは戸惑ったような笑みが消え、かむ力が2トン近くといわれる顎に長さ5センチほどの歯がずらりと並んでいる。ホホジロザメは自信ありげにゆっくりと、あなたに近づき、頭を左右に動かしながら、時間を割くだけの価値があるか、品定めする。運がよければ、サメは向きを変えて、再び道化者に戻り、暗闇へと消えていくだろう。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年7月号でどうぞ。

編集者から

 シリーズ「海のハンター」の第2回は、泣く子も黙るホホジロザメです。日本でも、北海道から九州南岸の太平洋沿岸、青森県から九州南岸の日本海や東シナ海沿岸、また、瀬戸内海にも出現した記録があるそうです。特集記事中の分布図をよく見ると、日本近海もホホジロザメのハブであることがわかります。映画『ジョーズ』で有名になったホホジロザメですが、生態についての科学的な研究は、実はまだあまり進んでいません。今後その実態がわかってくれば、「恐ろしい人食いザメ」というイメージが崩れる日が来るかもしれません。(S.O.)

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