サメのなかでも凶暴と恐れられるイタチザメが、人間を襲う件数が増えている。このサメの素顔を見たいと、新米ダイバーの筆者がバハマの海に潜った。

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海のハンター イタチザメに会いたい

サメのなかでも凶暴と恐れられるイタチザメが、人間を襲う件数が増えている。このサメの素顔を見たいと、新米ダイバーの筆者がバハマの海に潜った。

文=グレン・ホッジズ/写真=ブライアン・スケリー

 サメをよく知る人たちは、往々にしてサメを恐れない。そして、ダイバーほど、サメに近づく人たちはいない。

 バハマ諸島にあるタイガー・ビーチを拠点にするダイバーたちは、イタチザメについて愛情たっぷりに語る。それぞれのサメにあだ名をつけているし、個体ごとの特徴を、目を輝かせながら話してくれる。ダイバーたちにしてみれば、犬が人食い動物ではないのと同様、サメも人食いではないのだ(実際のところ、サメは犬ほど人を襲ってはいない。2015年に米国内では34人が犬に襲われて死亡したが、同年、サメに殺されたのは世界中で6人だった)。

【動画】バハマ諸島のタイガー・ビーチでは、イタチザメが優美に泳ぐさまを、ダイバーたちが間近から見ることができる。

イタチザメのいるタイガー・ビーチへ

 私がタイガー・ビーチで初めてのダイビングをしようとしていた前日、ハワイからニュースが飛び込んできた。一人の男性がイタチザメに襲われ、サメの目玉をわしづかみにして反撃して、どうにか逃げのびたという。しかし、男性の両足はずたずたにされ、片方は切断されることになった。

 ただ、人間を襲うからといって、イタチザメの凶暴さだけに目を奪われないでほしい。食物連鎖の頂点に立つ彼らがいることで、ウミガメなどの草食動物の行動が変化し、多様な生物を育む藻場が荒らされるのを防いでいるのだ。

 ダイビング・ポイントに到着すると、案内役のビンセント・カナバルとデブラ・カナバルが、魚の切り身を海へ投げ入れ始めた。すると、全長1.5~2メートルほどのペレスメジロザメが数十匹もすぐに集まってきて、まき餌を奪い合った。少し遅れて、長くてほっそりとした体形のニシレモンザメも姿を現す。そしてついに、ビンセントが巨大な黒い影を見つけて、「イタチザメだ!」と指さしながら叫んだ。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年6月号でどうぞ。

編集者から

「海のハンター」と題したシリーズの第1回に登場するのが、イタチザメです。日本近海にも姿を現すサメで、沖縄県などでは“駆除”の対象となっていたり、駿河湾で捕獲されたものが伊豆の水族館で飼育・展示されるというニュースも最近ありました。イタチザメを間近で見たいと、筆者はバハマの海に潜りますが、なんとも勇敢だと思わざるを得ませんでした。いくらダイバーに慣れているとはいえ、相手はホホジロザメと並ぶ「凶暴なサメ」の代表です。私なら、遠慮しておきます。でも、こうした先入観や思い込みを壊さなければ、サメの本当の姿を知ることはできないのですね。(S.O.)

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