遠くの雄大な国立公園に行かなくても、都会の公園でも自然と触れ合うことはできる。世界各地の都市型公園を訪ね、身近な自然の楽しみ方を探る。

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都会の公園で憩うひととき

遠くの雄大な国立公園に行かなくても、都会の公園でも自然と触れ合うことはできる。世界各地の都市型公園を訪ね、身近な自然の楽しみ方を探る。

文=ケン・オッターバーグ/写真=サイモン・ロバーツ

 倒木が行く手を阻み、岩壁の岩はもろく、小さな滝から流れ落ちる水は白く濁っている。日差しがせせらぎや広葉樹の葉と戯れる。靴を脱いで小さな淵に足を浸すと、ひんやりと心地いい。時折、小高い丘を越えて、ざわざわした音が聞こえてくる。街の喧騒だ。実は、この峡谷は文明社会の目と鼻の先にある。しかし、そんなことを忘れさせてくれるのも、都会にある公園の魅力だろう。

既存の構造物を都市型公園に再生

 都市型公園が世界的なトレンドとなっている。高架貨物線跡を公園に再生した米国ニューヨークの「ハイライン」が成功したのを受けて、オーストラリアのシドニーやフィンランドのヘルシンキなどでも既存の構造物を公園にする試みが進行中だ。シンガポールはチャンギ国際空港内に人工の熱帯雨林を誕生させたし、メキシコ市の外れでは、埋め立てを免れたテスココ湖の一部を大きな公園にする計画がある。

 都会の一部を四角く切り取ったような昔ながらの公園がなくなったわけではないし、今でも世界各地の都市で憩いの場になっている。とはいえ、開発が進んだ都会で、ある程度の広さと整った形の土地を見つけるのは難しい。そのため、新たに造られる都市型公園では、用地取得と開発に苦労した跡が見てとれる。また、監督官庁だけでなく、住民たちの目も厳しくなっていると、都市型公園の専門家で、ニューヨーク市公園委員を務めたエイドリアン・ベネピは話す。「自治体には予算の獲得競争があります。医療や教育にもお金がかかりますからね。公園の優先度は一番低いんです」。そこで、公園の設置と運営の両面で民間と協働する新モデルが注目を集めている。

【動画】大都会ニューヨークの喧騒に疲れたら、セントラルパークへ出かけてみよう。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年5月号でどうぞ。

編集者から

 記事で紹介されている世界各地の都市型公園のなかで、実際に行ったことがあるのは、サンフランシスコのゴールデンゲート国立レクリエーション地域とソウルの清渓川だけだが、編集をしながら、ほかの公園にも行ってみたくなった。特に興味をもったのは、ベルリンのテンペルホーフ公園。空港がどのように公園として生まれ変わり、憩いの場となっているのだろう? 飛行機や空港が大好きな私は興味津々だ。滑走路や駐機場だった場所に寝そべって、広い空を見上げてみたい。(S.O)

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